2012年12月28日金曜日

VRCグランドカンファレンス「整形外科シリーズ」

 昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われたVRCカンファレンス「整形外科シリーズ〜橈尺骨骨折治療の第一歩(アプローチ)〜」に参加してまいりました。今回も整形担当の戸次 辰朗先生による講演です。
 小型犬の骨折の中でも代表的な橈尺骨骨折ですが、よくある治癒不全として骨癒合不全があげられます。これは骨折端がうまく癒合してくれず、最悪のケースでは骨が溶けてなくなってしまう状態にまでなってしまいます。原因として、骨折端に異物・感染がある、生体側の免疫異常、インプラントの強度不足・過剰などがあげられます。避けられない原因もあるのですが、手術の手技により回避できるものも多くあります。
 今回のカンファレンスではプレート法を用いた整復をベースに、しかしすべての基本であるアプローチ(体位、切皮部位、切開していく順序)をお話いただきました。非常にベーシックな話であり、かつ誰も教えてくれない重要なポイントを丁寧にお話頂きました。
 当院では基本的に橈尺骨骨折には創外固定法を行うのですが、VRセンターではプレーティングと創外固定法とバンテージを組み合わせ骨折端にかける負荷を調整しながら治療していく方法で良い成績をあげているとお話しされていました。
 ただ最も重要なのは、骨折させないように飼主の皆様が気をつけていただく事でしょう。

2012年11月23日金曜日

VRCグランドカンファレンス [軟部外科シリーズ]

 昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われたVRCグランドカンファレンスに参加してまいりました。
 今回のテーマは「胃疾患のはなし」と題し、VRセンターの進 学之先生が胃の解剖学から胃の外科までお話いただきました。
 基本的にまずいきなり外科を選択するのではなく、どうしても外科でしか対応できない疾患であることを徹底的に検討し行う姿勢に徹する姿勢が印象的でした。
 血液ガスの重要性、胃切開縫合術のポイント、幽門形成術、幽門側胃切除術(特に獣医領域で行われるBillroth Ⅰ法)での胃の露出法のテクニックなど2時間が短く感じられる内容でした。また最後に進先生が実際に経験された、非常に診断が難しかった症例についてお話しされ非常に勉強になりました。

2012年10月30日火曜日

臨床腫瘍学

 昨日夜9時よりJBVP主催にて行われた、大阪レクチャーシリーズ「臨床腫瘍学4」に参加してまいりました。
 今回のテーマは治療学総論で、四国動物医療センター 入江充洋先生が最近参加されたロスやフランスでの腫瘍学会での最新の知見も織り交ぜながらお話いただきました。
 まずお話されたのは、RECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)という新しい治療効果判定についてで、これは従来使われてきたWHOの基準の問題点を克服するよう考案された新しい基準です。人医の世界では約10年ほど前より徐々に取り入れらてきたものですが、獣医医療の中ではまだまだ一般的ではありません。
 その他にも、緩和治療における低用量抗がん剤投与や、鎮痛剤のワイドアップ効果目的でのケタミン使用、抗癌剤治療中のDICや敗血症、抗癌剤の取り扱いなど、様々な臨床に役立つ情報をお話いただきました。

2012年10月24日水曜日

もっとお水を… ちゃんと潤っていますか?

待合いにお水の飲ませ方に関するポスターを新しく掲示しました!
 朝晩が急に冷え込むようになってきましたね、この季節になるとわんちゃん、ねこちゃんが夏場のようには、水を飲まなくなります。この結果、健康な子でも尿路結石が形成されたり、高齢で腎機能が低下している症例では腎不全を発症したりします。ではどのように予防すればよいのでしょうか?

ご来院の際に、是非ご覧ください。


2012年10月18日木曜日

グラム染色から考える古くて新しい抗生剤の考え方

 昨日夜9時より、北摂夜間救急動物病院にてモノリス主催で行われた学術セミナーに参加してまいりました。
 今回は宮崎大学農学部付属病院 准教授 鳥巣至道先生による抗生剤についての講義でした。
 日々の診療の中で、抗生剤を使用する機会は非常に多いですが、なかなか原因菌を特定し感受性テストをしてから投薬することは出来ません。この理由は菌を培養し、抗菌剤の感受性を見るのに数日~1週間以上かかってしまうため、現場では待っていられない為です。しかし菌の種類をその場でだいたいでも見分けることで、間違った抗生剤を出してしまうリスクは避けられます。菌を染色し形態や染色性を見ることによって出来るだけ正しい診断を下せるようにしていかなければなりません。
 その他に現在でも多く行われている、怪我をしたときのイソジンなどでの消毒に対して、実際にはまったく効果がないばかりか、逆に傷の治りを妨げるといった事も、鳥巣先生の経験談を交えてお話いただきました。
 これからの診療に即戦力のある講義でした。

2012年10月8日月曜日

臨時休診のお知らせ


誠に勝手ながら、10月5日(金)午後~6日(土)は
だんじり祭のため休診とさせていただきます。
なお、10月7日(日)・8日(月)は日曜・祝日にあたりますので休診とさせていただいております。

10月5日(金)の午前中は、平常通り診察致しますが混雑する恐れがございます。
予めお時間に余裕をもってご来院ください。
また、だんじり祭の関係で当院周辺の道路にて交通規制がかかる可能性がございますので、ご来院・ご帰宅の際には十分ご注意ください。

ごはんやお薬のご注文は、お早めにご連絡くださいますようお願いいたします。

2012年9月29日土曜日

お知らせ

 本日を持ちまして、看護士の東福が退職致しました。約9年半の間、皆様に本当によくしていただき有難うございました。彼女はこれから新しい家族と共に、幸せな家庭を築くはずです。
 しばらくの間は人手が足りず、皆様にご迷惑をおかけするかもしれませんが、精一杯頑張っていきますので宜しくお願い致します。

2012年9月28日金曜日

VRCグランドカンファレンス「腫瘍学シリーズ」

 昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われたVRCグランドカンファレンスに参加してまいりました。
 今回のテーマは「腫瘍学シリーズ~鼻腔内腫瘍」で、まず最初にVRセンターの田戸先生による診断について、次に大阪府立大学の秋吉先生により実際の放射線治療についてお話いただきました。
 鼻腔内に発生する腫瘍は、犬、猫共に全腫瘍の約1%と少ないものではありますが犬ではその8割、猫で9割までが悪性腫瘍です。
 診断は、細胞を採取し病理検査を行う事と、CTでどの範囲まで浸潤しているか診ることが重要です。
 鑑別診断としては感染性鼻炎(細菌、真菌)、アレルギー性鼻炎、異物、歯牙疾患、止血異常があります。
 犬では治療の第1選択は、放射線治療となります。この治療は行える施設が限られてくるのですが、幸いこの近辺では大阪府立大学が最新の機器を持っています。
 猫ではリンパ腫の場合は抗癌剤治療が第1選択ですが、それ以外の上皮系腫瘍の場合は放射線治療となります。過去に当院でも、猫ちゃんの鼻腔内リンパ腫を発症した方がいらっしゃいましたが幸いにも抗癌剤によく反応し、腫瘍は完全に消失し他の疾患で亡くなるまでリンパ腫は再発しませんでした。
 鼻腔内腫瘍は早期発見が難しいため、病気が進行した段階で発見されることが多いです。もしくしゃみをしたり、またその時鼻水などに血が混じっているようであれば、早めに病院を受診される事をお勧めいたします。 

2012年9月13日木曜日

犬と猫の血液異常への新しいアプローチ

 昨日夜9時より、IDEXX主催で行われた血液学セミナーに、ツルノ獣医科病院の副院長 鶴野佳洋先生と共に参加して参りました。
 今回のセミナーは東京大学獣医内科学助教授、同付属動物医療センター内科系診療科教員でもある藤野 泰人先生が講師として招かれ、血液検査(CBC)について基礎的な事柄を中心に、実際の症例も交えて講演されました。
 非常に基礎的な事ですが、日常の診療の中で、見落としがちになるポイントなどを再確認させられる内容でした。

2012年9月1日土曜日

肥満細胞種の最新情報&前立腺腫瘍そして移行上皮癌を知る!

 昨日夜9時半より、北摂夜間救急動物病院にて行われた、葉月会主催セミナーにツルノ獣医科病院 副院長 鶴野 佳洋先生の御厚意で参加してまいりました。
 今回は病理診断を行う検査センター、ノース・ラボ代表 賀川 由美子先生による病理医サイドから見た肥満細胞種、前立腺癌、移行上皮癌について、最新のトピックスを交えてお話いただきました。講師の賀川先生は酪農学園大学を卒業後、アメリカの獣医科大学にて日本人としては2人目となる難関のアメリカ獣医病理専門医の資格を最短で習得されました。
 最初にお話されたのは猫の肥満細胞種についてで、これは犬ではパグで発生する肥満細胞種によく似た動きをするのですが、最近の情報では今まで考えられていたサージカルマージンを考え直す方向に動いているそうです。そのお話から、現在よくグレード分けに使われているPatnaikの分類について、病理医間のグレード評価がまちまちな事実を病理医サイドの立場で説明され、2011年アメリカ獣医病理専門医による統一した分かりやすいグレード分類をお話いただきました。ただこの分類も日本によく飼育されている犬種ではあまりにも漠然としている為、現在、日本の病理診断医が集まり、日本に適した診断基準を模索しておられるそうです。
 次の話題としては前立腺癌と移行上皮癌について、現在よく行われる尿道マッサージによる細胞採取法のコツや、診断の難しさをお話いただきました。
 普段は聞けない病理医の本音を聞かせていただいたりと、非常に有益な時間でした。

2012年8月24日金曜日

VRCグランドカンファレンス 「神経病シリーズ」

 昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われたVRCグランドカンファレンス「神経病シリーズ」 “各論からせまる神経疾患”~頭蓋内疾患編①~に参加してまいりました。今回は脳神経部門 王子 隆先生が講演されました。
 まず最初に頭蓋内疾患の中で奇形性疾患である、水頭症についてお話いただきました。一般的に水頭症の好発犬種としてはチワワなどの短頭種が挙げられますが、実際に手術適応になるような臨床症状が強く出るとは限らず、VRセンターでも手術を行った犬種別トップはミニチュアダックスフントだそうです。
 次に脳腫瘍では、犬種を問わず高齢犬に発生し予後が良好に推移する髄膜種、年齢は問わずフレンチブルドックに好発する予後不良の神経膠種についてお話いただきました。
 最後は炎症性/感染性疾患、特に肉芽種性髄膜脳脊髄炎(GME)と壊死性(白質)脳脊髄炎(NME/NLE)について重点的にお話されました。NME/NLEとは、過去にパグ脳炎と呼ばれていた疾患で現在ではパグ以外にもヨークシャテリア、マルチーズ、チワワ、ペキニーズ、シーズー、ポメラニアン、パピオン、フレンチブルドックで発症し、発症中央年齢 2歳5ヶ月(6ヶ月~7歳)、原因としてDLAClassⅡ(組織適合性抗原)に関連した遺伝性免疫疾患と言われています。治療としてはステロイドや免疫抑制剤などになりますが、生存期間を延長させることを目的とし根治は不可と言われております。その他にもステロイド反応性髄膜炎やフレンチブルドックの化膿性髄膜炎など、時間を忘れてしまうほど内容の濃いカンファレンスでした。

2012年8月23日木曜日

ペットの長く健康な一生をサポートするために

 8月22日(水) 大阪国際会議場にて開催されました、ヒルズ動物看護セミナー「ペットの長く健康な一生をサポートするために」に参加してまいりました。
 日本獣医生命科学大学の呰上大吾先生による「動物看護師が行う臨床検査~基本が大事~」、一般社団法人日本動物看護職協会による「動物看護師の立場からの高齢動物看護」、ヒルズによる「高齢ペットの適切な栄養管理」の3つの講義がありました。

 私たち動物病院に来院されるわんちゃん・ねこちゃんも、最近では高齢の患者さんが増えてきました。
 昔と比べて平均寿命も伸びており、飼い主様と過ごす時間が増えるのはとても嬉しいことだと思います。
 しかし、高齢になれば病気を発症したり、認知症になったり、ゆくゆくは寝たきりになったり・・・若くて元気なときと同じように過ごすことが難しくなることがあります。

 出来るだけ長く健康で過ごしていただけるよう、病気の早期発見のため定期的に検査をしていただくのもひとつだと思います。
 また、動物看護士という立場からわんちゃん・ねこちゃんだけでなく、飼い主様のサポートもさせていただければ、と思っております。
 日頃しているケアについて、どんな食事を選べばいいのか、夜鳴きで困っている、など何かお困りのことがあれば気兼ねなくお話ください。

2012年8月14日火曜日

2012年 8月夏期休暇のお知らせ

2012年8月12日(日)~14日(火)は、
勝手ながら休診とさせていただきます。
8月11日(土)、15日(水)は平常通り午前・午後共に診察いたします。



また、業者の夏期休暇の関係により、フードなどのご注文品をご用意するのにお時間がかかる場合がございます。
予めご注文の予定がございましたら、8月4日(土)までにご連絡頂きますようお願いいたします。

2012年8月10日金曜日

外科学セミナー 下部尿路系の緊急手術

昨日夜9時半より北摂夜間救急動物病院にて行われた、(株)モノリス主催の外科学セミナーに参加してまいりました。
 今回は自身の病院は持たず、依頼を受けると病院に出張し手術を行っていらっしゃる 『手術屋』 こと中島 尚志先生の講演で、テーマは下部尿路系の緊急外科~これができなければ殺してしまう~というものでした。
 下部尿路系とあるとおり、雄猫の会陰尿道廔を重点的に尿路変更術について様々な臨床に即した実践的なお話を聞かせていただきました。
 人の医療では難解な外科手術の場合、その道のエキスパートが来院し、手術チームの中心となり手術を行う場面がありますが、獣医医療の中では二次診療に行っていただく事は多くなってきましたが、まだまだ自身の病院に、麻酔医や外科医に来ていただき手術を行う事は少ないです。ただ以前と比べ獣医医療を取り巻く環境が変化し、昔のように代診時代に外科テクニックを学ぶ機会は減ってきています。今後このような人材がますます獣医医療に必要になってくるのでしょう。

2012年7月31日火曜日

臨床腫瘍学

 昨日夜9時よりJBVP主催で行われた、大阪レクチャーシリーズ『臨床腫瘍学』に参加してまいりました。
 今回から始まった腫瘍学セミナーの講師は、四国動物医療センター 院長 入江充洋先生です。先生ご自身が急性骨髄性白血病を患われ、骨髄移植などの治療を経験されたことから、患者側の立場からの貴重な体験談も交えてお話し頂きました。
 人は2人に1人はがんになり、男性の4人に1人、女性で6人に1人ががんで死亡します。犬や猫の世界でも寿命が伸び、事故や感染症で亡くなるのではなく、人と同じようにがんや慢性疾患で亡くなるようになってきました。
 ただ動物医療と人の医療との間には、あまりにも高い壁があり現実に落胆する事も多々あります。今後の獣医医療の発展にどれだけ自分が役に立てるか分かりませんが、情熱を忘れずに努力していきたいと思います。

2012年7月27日金曜日

VRCグランドカンファレンス 「整形外科シリーズ」

昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われたVRCグランドカンファレンス「整形外科シリーズ~”コツ”とちょっとした器具だけで行う骨折治療」に参加してまいりました。
 今回はピンとスクリューといった基本的な器材を使い整復を行う、上腕骨外顆骨折と大腿骨遠位骨折についてカンファレンスが行われました。この骨折は成長期の犬ではよく遭遇する種類のものですが、うまく治癒させるためにはポイントを押さえなければいけません。手術手技そのものだけでなく、ケージレスト(ケージの中で安静にさせる)も非常に重要な要素で、そのための工夫も必要です。
 上腕骨顆骨化不全(IOHC)といった問題を抱えている犬種では、普通ではとても骨折しないだろうという状況で(例えば、室内で走り回って自分で壁にぶつかったなど)、折れてしまいます。コッカー、スプリンガー、ラブラドール、ミニピン、キャバリアなどが好発犬種となりますので注意してあげてください。
 戸次先生自身が経験された症例を、一人の臨床医の立場でお話いただいた内容はとても勉強になりました。

2012年7月22日日曜日

犬の肥満細胞腫の診断と治療

昨日夜9時半より北摂夜間救急動物病院にて行われた、酪農学園大学教授 廉澤 剛先生による腫瘍学セミナーに参加してまいりました。
 今回のテーマは私たちが日常の診療で、よく遭遇するポピュラーな腫瘍の1つでもある『肥満細胞腫』の主に治療についてのお話でした。
 肥満細胞腫は診断がつけば、外科的に切除を行う事が原則の腫瘍です。しかしこの腫瘍は組織への浸潤性が高く、特に脂肪組織に隣接した腫瘤では肉眼的に確認できる病変以上に広がっている可能性があるため、水平方向2cm以上、深部へは筋層をバリアとしてマージンに含み、隣接するリンパ節も切除する事が推奨されます。ただこれが現実的には無理な場合も多いため、外科的手技に抗癌剤や放射線を併用し再発を防いでいきます。最近では遺伝子レベルで薬の効果を判定し、プロトコールを選択するようになってきました。また非常に新しい情報ではありますが、血中ヒスタミン濃度を測定する事によって肥満細胞腫の経過を判定する検査法も近々利用できるようになります。
 この腫瘍は少なからず遭遇するものの中で、かなり厄介な部類に入る腫瘍ではありますが、早期に発見できれば充分にマージンをとる事もでき予後は良好です。なによりも飼主様の注意深い観察が重要です、もし蚊に刺されたような赤い腫れが皮膚にできていたなら病院にいらしてください。

2012年7月20日金曜日

予防と免疫 感染症と感染予防の知識


 7月19日(木) 天満研修センターにて行われた動物看護士セミナー『予防と免疫 感染症と感染予防の知識』に参加してまいりました。
 講師は赤坂動物病院 医療ディレクターであり、JAHA(公益社団法人日本動物病院福祉協会)の会長を務めておられる石田卓夫先生でした。
 テーマが予防と免疫ということで、感染症として挙げられる病気について、またどのようにそれらの病気を予防していくかについてご講義いただきました。

 “感染症”はその言葉どおり、病気になった動物単体で起こるのではなく、犬同士または猫同士、さらには人間と動物間へと広がっていく病気です。
 動物病院は、動物の健康を管理する場であり病気を治療する場ではありますが、逆を言えば病気の動物や体調の悪い動物が集まる場でもあります。その中には感染症で来られる動物も含まれます。
 感染症の中には、混合ワクチンを接種することで予め防ぐことが出来るものもありますが、残念ながら混合ワクチンでは予防できない病気があるのも事実です。
 そこで重要なのは、その病気を治療することだけでなく、他に来院されているわんちゃん・ねこちゃんに病気を広げないことです。
 当院にて感染症の疑いのある動物の来院があった場合、

・他の動物との接触を避けるため、診察までお待ちいただく場所を変える
・普段使う診察室とは別の診察室にて診察をする
・マスク・グローブの着用、白衣の上からガウンの着用
・診察室や待合室の消毒、診察に使用したものの消毒

などをしております。

 感染症は思っている以上に広がりやすく、その原因のほとんどが私たち人間がウイルスや細菌を運んでいることにあるそうです。
 私たちもより一層、院内感染を防ぐために努力はしてまいりますが、同時に飼い主様にもご協力いただくこともあるかと思います。
 もしかすると感染症かもしれない、と思われた場合は、病院に動物を連れて入る前にまず一言スタッフにお声をかけていただけると助かります。
 また病気によっては感染経路や注意する点が異なりますので、気になることがございましたら獣医師にお尋ね下さい。

2012年5月25日金曜日

VRCグランドカンファレンス~眼科学シリーズ~

昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われたカンファレンスの新シリーズ「眼科学」に参加してまいりました。今回はVRセンター眼科部門の小山 博美先生による~角膜潰瘍を点眼で治そう~というタイトルの検討会です。
 初めに角膜についての基礎的なお話をして頂き、潰瘍病変の病態について分かり易く説明頂きました。角膜潰瘍は日常の診療の中でよく遭遇する疾患ですが、実は非常に奥深く、安易な治療を行っているとそれこそ「痛い目」に遭ってしまいます。基本に忠実に厳格な診断が必要となります。
 その他にも以前ボクサー潰瘍などと言われていた「SCCEDs(突発性慢性角膜上皮欠損症)]についての新しい情報など非常に興味深い内容のカンファレンスでした。

2012年5月11日金曜日

生殖器・腹膜腔・リンパ節の画像診断

昨日夜9時よりJBVP主催で行われた、スカイベッツ画像診断セミナーに参加してまいりました。
 今回はシリーズ最後のセミナーで前立腺、卵巣・子宮、腹腔内リンパ節などの画像所見についてお話いただきました。
 前立腺疾患は未去勢の老犬でよく見られるものですが、過形成か癌なのか見極めるポイントが重要となります。妊娠以外の正常子宮は通常エコーで描出できませんが、逆を返せば子宮が写ってきたなら病変があると考えられます。腹腔内のコントラストに重要な要素を占めているものが腹膜です。ここに炎症が発生すると滲出液などの影響から臓器が不鮮明に見えてきます。腹腔内にあるリンパ節では特定のランドマークとなるリンパ節以外は、通常見えないものなので、子宮と同じように見る事ができれば異常所見と考えなければなりません。
 今回でシリーズ最終となりましたが、毎回日頃見落としがちになるポイントを再確認させて頂いた貴重なセミナーでした。

2012年5月6日日曜日

ゴールデンウィーク中の診療について

ゴールデンウィーク中は、通常通り診療いたします。
診療時間は、午前9時~12時、午後4時30分~7時30分です。
なお、日曜・祝日は休診日とさせていただいておりますので、ご了承下さい。


5月1日・2日の診療は、混雑することが予想されます。
診察・お薬のご用意・FOODのお渡しにもお時間をいただく可能性がございます。
恐れ入りますが、予めお時間に余裕を持ってご来院いただきますようお願いいたします。

2012年4月28日土曜日

VRCグランドカンファレンス~腫瘍学シリーズ~

一昨日夜9時よりネオベッツ主催で行われたカンファレンス「口腔内腫瘍」に参加してまいりました。
今回はVRセンター腫瘍専門医 田戸 雅樹先生と大阪府立大学獣医臨床センター外科 秋吉 秀保先生の合同カンファレンスです。まず田戸先生より口腔内に発生する腫瘍についての基本的な解説があり、次に実際にVRセンターで行われている診断および外科的手技についてお話いただきました。口腔内に発生する悪性腫瘍の場合、多くが骨に浸潤しているため、下顎骨や上顎骨の切除を伴った外科手術になります。
 秋吉先生からは外科手術とそれに伴った放射線療法について現在、大阪府立大学で行われている症例をお話しいただきました。
 口腔内に発生する悪性腫瘍は、犬のすべての悪性腫瘍の内の6%を占めると言われており、実際に我々の病院でもよく遭遇する疾患です。人と異なり口の中をよく見る機会は少ないのですが、常日頃観察する事によって小さな異常の段階で発見できる事が望ましいです。

2012年4月13日金曜日

泌尿器の画像診断

昨日夜9時よりJBVP主催で行われた、スカイベッツ画像診断セミナーに参加してまいりました。
今回は、腎臓~尿道にかけてのエコー所見の解釈について講義されました。
腎臓疾患を疑う症例では腎臓の形態学的な評価から、腎臓の内部構造確認まで幅広くエコーが活用されます。それらを行った上で腫瘍性病変の疑いがあるものでは、細い針を経皮的に刺す事により細胞診を行う事もあります。猫で多くは見過ごされてしまう尿管結石などは、水腎症を示す腎臓から尿管を少しずつ辿っていかなければ、なかなか結石を見つける事ができません。
膀胱のエコー評価はかなり一般的になりましたが、実際に厳密に尿道部まで評価していくには注意が必要です。膀胱内腫瘍の細胞診については針を刺す事により癌細胞を散らしてしまう危険があるためカテーテルによる吸引が勧められます。
画像診断の専門医によるレクチャーは、やはり日頃自分たちが気づかない盲点を示して頂けるのでとても勉強になります。

2012年4月7日土曜日

パピークラス

3月19日(月)・3月26日(月) JAHA認定しつけインストラクター安国宣子先生によるパピークラスを院内にて開催いたしました。(パピークラスとは)

現在ご参加いただいているのは、
イングリッシュコッカースパニエルのむぅちゃん です!

むぅちゃんの第5回目・第6回目のパピークラスの様子をご覧下さい♪



第5回目 2012年3月19日(月) むぅちゃんの体重 7.3kg
診察の練習では体温測定、ハウスの中で過ごす練習のほか、今回は「交換」の練習や慣れない足場の上を歩く練習をしました!
「交換」とは、むぅちゃん自身が持っているもの(例:おもちゃなど)をこちらに取り返したいときに別のものととりかえっこすることです。今回は骨のおやつをむぅちゃんに渡し、それを取り返す練習です。むぅちゃんの近くにごほうびに使うフードを置くなどしてむぅちゃんの意識をそちらに向けている間に、おやつを取り返します。万が一口にしてはいけないものなどをくわえてしまったときに、この「交換」が出来れば取り返すことが出来ます。
慣れない足場の上を歩く練習では、棒や木の板を並べてその上を歩いてみましたが、むぅちゃんはすいすいと歩くことが出来ました!



第6回目 2012年3月26日 むぅちゃんの体重 8.2kg
今回でいよいよパピークラスも最終回。
ということで、今まで習ってきたことの総復習をしました。
オスワリ、フセ、ゴロンなどはもうすんなり出来るようになっていましたし、歯磨きもまだ全ての歯を磨けるわけではありませんが、奥のほうまで見て、歯ブラシを当てることが出来ました!
ほとんどの項目をクリアすることが出来たむぅちゃんは、最後に成犬向けのクラスの内容である「ツイテ(わんちゃんが飼い主様の左側につくこと)」の練習もしました。
写真でも上手に飼い主様の左側で座っているのがお分かりになるかと思います♪ (以下の写真二段目右側をご覧下さい)
安国先生からも「パピークラス卒業」とのお言葉をいただき、パピークラスを終了することが出来ました!


飼い主様、むぅちゃん、全6回のパピークラスお疲れ様でした♪

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パピークラスにご興味のある方は、是非当院までお問い合わせ下さい。
参加条件に関してはこちらをご覧ください。→(パピークラス
過去のパピークラスの様子はこちらからどうぞ!→(過去のパピークラス)


なかで動物病院 072-271-7225

パピークラス

3月5日(月)・3月12日(月) JAHA認定しつけインストラクター安国宣子先生によるパピークラスを院内にて開催いたしました。(パピークラスとは)

現在ご参加いただいているのは、
イングリッシュコッカースパニエルのむぅちゃん です!
 
むぅちゃんの第3回目・第4回目のパピークラスの様子をご覧下さい♪


第3回目 2012年3月5日(月) むぅちゃんの体重 6.3kg 
体重も1週間前よりも増えており、日に日に成長している様子のむぅちゃん。
第3回目では、今までの練習に加えてドライヤーの風を当てながらブラッシングをしたり、お洋服を着る練習などもしました。
歯磨きの練習では前回よりもお口の奥まで見ることができ、奥歯に歯ブラシを当てることもできました。
回数を重ねるごとに、どんどん上手に出来るようになってきています♪



第4回目 2012年3月12日(月) むぅちゃんの体重 6.8kg
診察の練習でも上手に聴診や体のチェックが出来たむぅちゃん。
今回は、耳が大きいためお水を飲むときなどに耳が器に浸かって濡れてしまうとのことだったので、スヌード(耳が食器につかないようにするためのヘアバンドのようなもの)をつける練習をしました。
そのほか、トンネルくぐりにも初挑戦♪
初めはトンネルを短くした状態でむぅちゃんから出口で待っている飼い主様が見える状態で、慣れてきたら今度はカーブをつけて飼い主様が見えないようにしてくぐり抜ける練習をします。
中にはトンネルくぐりを怖がるわんちゃんもいるのですが、むぅちゃんは慣れるのが早く、すぐに通り抜けることが出来ました!



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 パピークラスにご興味のある方は、是非当院までお問い合わせ下さい。
参加条件に関してはこちらをご覧ください。→(パピークラス
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2012年3月14日水曜日

パピークラス

 2月20日(月)・2月27日(月) JAHA認定しつけインストラクター安国宣子先生によるパピークラスを院内にて開催いたしました。(パピークラスとは)

 現在ご参加いただいているのは、
  イングリッシュコッカースパニエルのむぅちゃん です!

 むぅちゃんの第1回目・第2回目のパピークラスの様子をご覧下さい♪

第1回目 2012年2月20日(月) むぅちゃんの体重5.6kg
 今回が初回のパピークラスですので、まずはカウンセリングにてむぅちゃんの生活環境や困られていることなどについてお話されました。
 カウンセリングのあとは、実際にむぅちゃんと一緒に練習をしていきます。
 この日は、お膝の上で抱っこして落ち着く練習、傘や長靴など生活の中で普段から見かけるようなものを怖がらないように慣れる練習、歯磨きの練習、むぅちゃんの名前を呼びながら目を合わせる練習などをしました。
 初めてのレッスンで最初は少し戸惑った様子のむぅちゃんでしたが、すぐに雰囲気に慣れることが出来たようであまり物怖じをせずいろんなものに興味津々な様子でした!



第2回目 2012年2月27日(月) むぅちゃんの体重5.7kg
 前回の復習を交えながら、オスワリやフセ、フセの状態から仰向けになるゴロンの練習や、歯磨き、ハウスに入る練習、爪を切る練習などもしました。
 歯磨きの練習ではお口周りを触られるのもあまり嫌がることはなく、歯ブラシを噛まずに歯に当てることができました。
 片手で歯ブラシを持ち、片手でお口を見るのはなかなか難しいのですが、おうちでも練習されているそうで飼い主様もむぅちゃんも以前よりも歯磨きに慣れられた様子でした!


 パピークラスでは、これらのような練習以外にも体重測定を兼ねた診察室での診察の練習や、他の犬ともあいさつが出来るように安国先生・当院看護士の犬たちと触れ合う時間を設けるなど、パピークラスを受けている子犬ちゃんに合わせて様々な練習をしていきます。

子犬の時期に楽しい経験を適切に重ねていくことで、成犬になってからも過度なストレスを感じずに生活できるようになるのです。

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 パピークラスにご興味のある方は、是非当院までお問い合わせ下さい。
 参加条件に関してはこちらをご覧ください。→(パピークラス
 過去のパピークラスの様子はこちらからどうぞ!→(過去のパピークラス)

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2012年3月9日金曜日

フィラリア検査~春の血液健康診断検査の御案内

3月に入り、ようやく春の息吹を感じられるようになってまいりました。

今年もフィラリア検査の時期に入り、当院でも昨年の予防状況を確認する為に御来院頂いております。

検査には血液が必要ですので、採血のためワンちゃんには少しの時間、ジッとしていただきますが、同じ我慢をして頂くならと、同時に、腎臓や肝臓、副腎、赤血球、白血球など全身の臓器の状態を確認する血液スクリーニング検査をお勧めしております。通常は病気で御来院頂いた時に、全身の状況を確認するために行うスクリーニング検査を3月~6月中にフィラリア予防に来られた方限定で割安なセット価格で行っております。この検査をうけて頂いた事で病気の発症を未然に防げた例もありますので、御利用された事のない方は是非御検討ください。

なおこのサービスを利用して頂いた方のみ半年後に、同じ内容の検査を同様の割安価格で提供させて頂く6ヵ月後検診も実施しております。

2012年2月24日金曜日

VRCグランドカンファレンス ~整形外科学セミナー

昨日9時よりネオベッツ主催で行われた、整形外科シリーズ~骨折治療の基礎知識~に参加して参りました。
今回もネオベッツVRセンター外科部門の戸次 辰郎先生によるカンファレンスです。
前回は創外固定法について様々なお話を聞かせていただきましたが、今回は骨折の基本的な概念、その症例に合わせた固定法の選択など、後半はプレート固定法についての基礎知識と、具体的に症例を挙げ、実際に戸次先生がどのプレート固定法を選択して治療を行ったのかをお話いただきました。
昔は事故に遭う犬猫が多く、骨折症例をよく診ましたが、この10年余りで本当に少なくなりました。ただトイ種が増えたことから、室内での事故による骨折はたまに見られます。一見簡単に治りそうな症例でも様々な要因が治癒を遅らせてしまうことがあります。ちょっとした事で事故は起こってしまいますので皆様も日頃から注意してください。

2012年2月11日土曜日

上部消化管疾患に対する診断と治療

昨日夜9時半より北摂夜間救急動物病院にて行われた、消化管疾患のセミナーに参加してまいりました。講師は以前にも肝疾患のセミナーで講演された宮崎大学の鳥巣 至道先生です。
猫は犬と食道の筋肉の違いから、物が食道に残りやすく食道炎や潰瘍が起りやすい動物です。この事から猫に薬などを飲ませるときには、水分と一緒に飲ませ確実に胃まで送り込む事が重要です。
犬でまれに見られる巨大食道症の予後について、発症年齢が重要な要素であるという興味深いお話もお聞きしました。
また猫は伝染性の呼吸器疾患をよく起こしますが、そのような事から呼吸困難になり、漏斗胸、食道裂孔ヘルニアといった重大な疾患を引き起こしてしまうという発表があります。この興味深い内容には実は続きがあり、元となる呼吸器疾患を治療すると、漏斗胸や食道裂孔ヘルニアも自然治癒してしまったという事です。
この他にも内視鏡による生検のコツや、フィーディングチューブの設置、また鳥巣先生自身も開発にたずさわっているベジタブルサポートの新製品の特徴など、非常に内容の濃い2時間でした。

2012年1月27日金曜日

VRCグランドカンファレンス ~軟部外科シリーズ

昨日夜9時よりネオベッツ主催で行われた、軟部外科シリーズ~開胸手術~に参加してまいりました。
開胸手術に関しては、開腹手術と較べ頻度は明らかに少ないのですが、しかし必要となる疾患がない訳ではないですので、高度な手術を日常的に行われている先生の講義を聴く事は非常に役に立ちます。
ただ洗練された手術を行うためには、解剖学的な理解と特殊な器具、そして高度な麻酔管理が必要でもあります。今後も頑張っていきたいと思います。

2012年1月13日金曜日

肝胆道系の画像診断

昨日、夜9時よりJBVP主催で行われた大阪レクチャーシリーズ「画像診断」に参加してまいりました。
今回のテーマは肝臓・胆道のX線、エコー所見です。前回と同様に稀な症例を見せるのではなく、日常の診療の中で遭遇する病態を分かり易く説明していただきました。その中でも時としてエコー画像を出すのに苦労をする右副腎、膵臓などを出し易くするコツや、エコーレベルの相対的評価の重要性など価値ある内容に時間の経つのを忘れるほどでした。

2012年1月3日火曜日

年末年始 休診日のお知らせ


誠に勝手ながら、
12月31日(土)午後〜1月3日(火)までは
休診とさせていただきます。

1月4日(水)から通常通り診療いたします。

また、年末・年始の診療は混雑する可能性がございます。
予めお時間に余裕を持ってご来院ください。

ごはん等のご注文がございましたら、
恐れ入りますが12月15日頃までに ご連絡いただきますよう、お願い致します。