2011年12月20日火曜日

日常の診療ですぐに役に立つ慢性腎不全の診断・治療について

12/18(日)午後より堺市産業振興センター セミナー室にて行われた堺市獣医師会主催の学術セミナーに参加してまいりました。
今回の講師は以前、モノリス主催で行われた腎臓セミナーで講師をされた クワハラ動物病院院長 桑原 康人先生です。
講演の内容は、前回内容のアップデートにプラスして、猫で日常的に遭遇する厄介な病気である‘下部尿路疾患’について先生自身の飼い猫を例に挙げお話いただきました。
季節がめぐり木枯らしが吹くようになると、おしっこに関連した病気が発生するようになってきます。おうちのわんちゃん、ねこちゃんの様子を見て、おしっこの回数が多い、色がいつもと違う、トイレに入っている時間が長いなどの変化があれば病院に御相談ください。

2011年12月16日金曜日

貧血に対するアプローチ

昨日夜9時半より、北摂夜間救急動物病院にて行われたアイデックスラボラトリーズ 平田 雅彦先生による症例検討形式のセミナーに、ツルノ獣医科病院院長 鶴野 佳洋の御厚意により参加してまいりました。
今回は貧血の症例を、身体検査所見から一つずつ読み解きながら診断を進めて行きどれだけ理論的にその病態を解明していくかを講演いただきました。血液・細胞学の権威である平田先生ならではの繊細な視点に毎回様々な事に気付かせていただきます。

2011年12月13日火曜日

後肢の整形外科疾患に対する診断、治療

12月11日、大阪府獣医師会主催で行われた整形学セミナーに参加してまいりました。講師は、アメリカカルフォルニア大学外科学助教授 林 慶先生が来日され講演されました。
座長は整形外科でも日本を代表する藤井寺動物病院・動物人工関節センター院長の是枝 哲彰先生という贅沢な講師陣でした。朝10時から夕方5時までの長丁場ではありましたが、まったく時間が経つのも忘れてしまうほどの楽しい時間でした。
内容としてはまず基礎的な破行診断をお話いただきましたが、アメリカの獣医学教育と日本のそれとの大きな隔たりを未だに感じさせられるものでした。アメリカでは大学在学中に徹底した臨床実習を行い、卒業した時点で充分即戦力に足る人材に仕上げていきますが、かたや日本の獣医学教育は基礎獣医学が主体で卒業後に自らの努力で臨床を学んでいくという状況にあります。これは国策の違いなので仕方がない事ではありますが、臨床の現場にいる人間としては歯痒い現状です。
午後からは股関節形成不全、前十字靱帯断裂に対する外科的整復術を最新の情報を交えながら非常に分かり易くお話いただきました。
アメリカの獣医学は確かに日本より進んでいます。しかしそれは最先端の医療器具を駆使しているからではありません。違うのは、人の能力を徹底して引伸ばし絶えず努力をさせる教育システムがあるからなのです。

2011年12月10日土曜日

胸部の画像診断

一昨日、夜9時より行われたJBVP主催大阪レクチャーシリーズ「画像診断」に参加してまいりました。
今回は、スカイベッツ代表 小野 晋先生によるⅩ線、エコー、CTよる胸部の画像診断の講義でした。
スカイベッツは画像診断を専門としたオンラインサービスを行っている会社です。診断を行っている小野先生は複数の高度医療センターで画像診断を行ってこられ、現在も日本小動物医療センターにて実際診療に携わっておられます。
講義の内容は、前半の部は胸部の特に診断に悩ませられる肺野の混合パターンについて重点的にお話いただきました。後半では肺腫瘍について様々な実際の症例を挙げながら講義いただきました。
人医の世界では一般的になってきている遠隔診断ですが、インターネットの普及により我々の日常の診療にも徐々に浸透していくことでしょう。

2011年11月18日金曜日

発作が起きたら!

昨日夜9時より、JBVP主催の大阪レクチャーシリーズ 第3回 神経病学「発作が起きたら!」を受講してまいりました。今回はネオベッツVRセンターの王寺 隆先生が講師を務めれました。
てんかん様発作は、日々の診療の中でも比較的多く遭遇する病気ですが、その劇的な症状から初めて体験された方は非常に驚かれて来院されます。しかし最も多くみられる特発性てんかんにおいては、しっかりとした管理を行えば予後は通常良いと言われています。発作の種類を見分けていくときに重要な要素として、初発の年齢、痙攣の有無、意識の有無なのですが、言葉では伝えにくいものでもありますので、動画などで記録していただくと非常に参考になります。病院ではまずその発作が脳神経の問題で起こったものなのか、代謝性疾患(血液過粘調度症候群、肝臓病、インスリノーマなど)が原因なのかを血液検査でしらべます。その後、脳に限定した病変の可能性が高ければ、試験的な投薬治療かMRI、脳波検査のお話をさせていただきます。
発作の原因は様々ですが早期に対処を行い、きっちりと治療を行えばその子の良い状態を維持する時間を長くできると思います。

2011年10月20日木曜日

全身麻酔時のモニタリング

 10月14日(金) 北摂夜間救急動物病院にて行われた、岐阜大学応用生物科学部客員獣医系准教授 今井彩子先生によるセミナー「全身麻酔時のモニタリング」にスタッフ全員で参加してまいりました。

モニタリングとは、動物の麻酔深度や呼吸・循環状態などを看視することを言います。
機械を用いて心拍数や血圧などを数字として表わしますが、それだけでなく人の五感を用いて看視することも大切です。
モニタリングで重要なのは、動物の状態を進行形で把握することはもちろん、それらの情報からこの先に起こり得る事態を予測し、その対策を立てることです。
当院でも、より安全な麻酔管理が出来るよう努めてまいります。

2011年10月19日水曜日

「血液検査の正常値」 その裏に隠された謎を解く!

 10月17日夜8時より北摂夜間救急動物病院にて行われた、アイデックスラボラトリーズ主催の臨床病理学セミナーに参加してまいりました。
 シリーズ2回目となるセミナーですが、今回も講師はアメリカのパーデゥー大学獣医学部臨床病理学助教授 デニスBデニコーラ先生です。
 今回は実際の症例をまったく白紙の状態から検査データを読み解きながら、全員参加で診断していくという実践的なセミナーでした。自分が選択した回答が自動的に集計され、スクリーンに映し出されるので座学でありながら、エキサイティングなものです。
 「なんとなく元気がない、このまま少し様子を見ようかな」と思ってしまう状態が、しかし実際には重度な疾患であったという症例をどのように解明していくか事細かく解説していただきました。
 犬や猫も人と同じ様に、病気ではなくても今日はなんだか調子がでないという日もあるでしょう。しかしそれが本当は病気の始まりである場合にも備えておかなければなりませんね。

2011年10月10日月曜日

臨時休診のお知らせ


誠に勝手ながら、10月7日(金)午後~10月8日(土)は、
だんじり祭のため、休診とさせていただきます。
なお、10月9日(日)・10日(月)は日曜・祝日にあたりますので休診とさせていただいております。

10月7日(金)午前は通常通り診察致しますが、混雑する可能性がございます。
予めお時間に余裕を持ってご来院いただきますよう、お願いいたします。
また、だんじり祭当日は当院周辺にて交通規制がかけられている場合がございます。ご来院・お帰りの際は、十分ご注意ください。

ごはん等のご注文がございましたら、恐れ入りますがお早めにご連絡いただきますよう、お願いいたします。

2011年9月22日木曜日

9月16日(金) 安国宣子先生による、しつけ方教室が院内にて行われました。
ご参加いただいたのは、チワワのゆずちゃんと飼い主様です。
今回は6回目の実践教室でした。
(これまでの様子についてはこちらをご覧下さい)




しつけ方教室は個人レッスンです。レッスンの内容は飼い主様のお悩みに合わせて行われます。
安国先生のしつけ方教室は、「飼い主様にわんちゃんの習性や行動をよくご理解していただくこと」 そして、インストラクターがわんちゃんをしつけていくのではなく、「飼い主様にわんちゃんの『しつけ方』を学んでいただくこと」を目的とされています。
また、お教室は個人レッスンですので、他の人やわんちゃんが苦手な子も気兼ねなくご参加いただけると思います。

しつけ方教室については、安国先生のご自宅、または当院での出張教室にてご参加可能です。
しつけに関するカウンセリング・しつけ方教室にご興味のある方、参加をご希望の方は当院までお問い合わせください。



~しつけ方教室 参加対象条件~
□生後6ヶ月以上であること
□当院で以下の予防をされていること
・混合ワクチン・狂犬病ワクチン接種
・フィラリア症予防
・ノミ・マダニ予防

なお、しつけ方教室の日程を決めさせていただく前に便検査を致します。
参加希望の方は、便をお持ちいただき、参加するわんちゃんをお連れになってご来院ください。

2011年9月21日水曜日

甲状腺や副腎疾患を持つ患者を誤診から守る

 昨日午後8時より北摂夜間救急動物病院にて行われた、葉月会法人化10周年記念 特別セミナーシリーズ Dr. Peter Kintzer講演 「甲状腺や副腎疾患を持つ患者を誤診から守る」に参加してまいりました。
 甲状腺機能低下症と誤診されやすい疾患の中で、Euthyroid Sick症候群(ESS)をどのように見分けていくか、甲状腺ホルモン値を下げてしまう薬剤について。猫の甲状腺機能亢進症の基本的な原則、甲状腺疾患と腎不全とのバランスのとり方、新しく発売される甲状腺に特化した猫用療法食など。稀な疾患と思われていた副腎皮質機能低下症の意外な潜在率、非定型アジソンの診断など、3部構成の3時間を優に超えるセミナーでしたが、あっという間に時間が経ってしまい非常に勉強になりました。
 

2011年9月10日土曜日

ヒルズの超小型犬種用ビスケット

「ライトトリーツ」「つやつやトリーツ」の2商品に
小さなビスケットシリーズが仲間入り!!




超小型犬種用トリーツ
「ライトビスケット」「つやつやビスケット」

ひとくちサイズのビスケットです♪

院内にはサンプルもご用意しております。
どうぞお試し下さい。

2011年9月8日木曜日

6ヶ月後健診のご案内

当院では以前より、わんちゃん・ねこちゃんの病気の早期発見、また元気なときの健康状態を把握するために、定期的な血液検査をお勧めしております
日頃から注意深く見ていても、体の中で起こっている変化を見つけるのはなかなか難しいものです。

現在、
・フィラリア抗原検査時(春期限定・犬のみ)
・混合ワクチン接種時 (犬・猫)
において、同時に血液健康診断検査をさせていただくことができます。

さらに、こちらの血液健康診断検査セットをしていただいたわんちゃん・ねこちゃん限定で、2011年9月より新しく6ヶ月後健診をさせていただくことができるようになりました!


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6ヶ月後健診(血液検査 犬:24項目/猫:23項目)

6ヶ月後健診は、フィラリア抗原検査時または混合ワクチン接種時にしていただいた血液健康診断検査から6ヶ月後に同様の血液検査をさせていただくものです。

 例:2011年4月に混合ワクチン接種+血液健康診断セットをした
   →2011年10月に6ヶ月後健診を受けることができます!

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2011年3月以降に血液健康診断検査をご利用いただいたわんちゃん・ねこちゃんには、6ヶ月後健診の検査時期をお葉書にてご案内させていただいております。


犬や猫は、人間の約4~5倍の早さで年を取るといわれています。
そのため、わずか数ヶ月の間に健康状態が大きく変化してしまうことも少なくありません。
病気が心配な高齢のわんちゃん・ねこちゃんだけでなく、元気で若いわんちゃん・ねこちゃんにも健康診断をお勧めいたします!

2011年8月29日月曜日

犬の甲状腺腫瘍

 8月27日(土)午後9時半より、北摂夜間救急動物病院にて行われた、酪農学園大学教授 廉澤 剛先生よる腫瘍学セミナーに参加してまいりました。
犬の甲状腺疾患として臨床的には機能低下症に多く遭遇しますが、その中に甲状腺腫瘍からくる機能低下症があります。甲状腺腫瘍はそのほとんどが悪性ですが、他の悪性腫瘍と異なり肺転移が起こった症例でも生活の質が落ちにくく、血管浸潤が起こるわりにはリンパ節転移が起こりにくいという特徴があるそうです。治療としては外科的に甲状腺がんを切除することが第一選択ですが、あまりにも大きくなった両側性のものでは放射線療法が選択されます。
好発犬種としては中高年のビーグル、ゴールデンレトリバーで頸部の腫れが感じられた場合は精査する必要があります。
その他にも甲状腺に付属する器官である、上皮小体の腫瘍についてもお話いただきました。
甲状腺腫瘍は犬の全腫瘍の中で約1%の発生率ですので、あまり遭遇するものではありませんが、特定の犬種に関しては注意する必要があります。

2011年8月23日火曜日

しつけ方教室

8月16日(火) 安国宣子先生による、しつけ方教室が院内にて行われました。
ご参加いただいたのは、チワワのゆずちゃんと飼い主様です。
今回は5回目の実践教室でした。
(これまでの様子についてはこちらをご覧下さい)


しつけ方教室は個人レッスンです。レッスンの内容は飼い主様のお悩みに合わせて行われます。
安国先生のしつけ方教室は、「飼い主様にわんちゃんの習性や行動をよくご理解していただくこと」 そして、インストラクターがわんちゃんをしつけていくのではなく、「飼い主様にわんちゃんの『しつけ方』を学んでいただくこと」を目的とされています。
また、お教室は個人レッスンですので、他の人やわんちゃんが苦手な子も気兼ねなくご参加いただけると思います。

しつけ方教室については、安国先生のご自宅、または当院での出張教室にてご参加可能です。
しつけに関するカウンセリング・しつけ方教室にご興味のある方、参加をご希望の方は当院までお問い合わせください。


~しつけ方教室 参加対象条件~
□生後6ヶ月以上であること
□当院で以下の予防をされていること
 ・混合ワクチン・狂犬病ワクチン接種
 ・フィラリア症予防
 ・ノミ・マダニ予防

なお、しつけ方教室の日程を決めさせていただく前に便検査を致します。
参加希望の方は、便をお持ちいただき、参加するわんちゃんをお連れになってご来院ください。

2011年8月15日月曜日

2011年8月 夏期休暇のお知らせ

2011年8月13日(土)~8月15日(月)は、
勝手ながら休診とさせていただきます。


業者も夏期休暇に入りますので、フード等のご注文は、8月5日(金)頃までにお願いいたします

あしからずご了承下さい。

2011年8月1日月曜日

アレルギー診療を成功させるポイント:稟告、検査値解読、処方まで

 7月31日(日) ATCコンベンショナルホールにてP&G/ZENOAQ共催で行われた皮膚病セミナーに参加してまいりました。今回は当院でも現在利用させていただいている動物アレルギー検査株式会社の増田 健一先生による講演で、アトピー、食物アレルギーなどを診断していく検査方法、検査結果の読み方、治療の方針などについてお話いただきました。マラセチアに対する治療の中でステロイドの使用の是非を科学的に説明していただいたりと、アドバンスコースとして内容の濃いセミナーでした。
従来行われていたIgEによる検査と、新しいリンパ球反応検査を組み合わせることで今まで診断し辛かった食物アレルギーを絞り込んでいくことができるでしょう。

即戦力眼科シリーズ

7月27日(水) 夜9時半より北摂夜間救急動物病院にて行われた、ファーブル動物病院眼科 山下 真先生による眼科セミナーに、ツルノ獣医科病院 副院長 鶴野 佳洋先生の御厚意で参加してまいりました。
今回は白内障について約2時間お話いただきました。人では白内障の原因として、加齢性、糖尿病性、外傷、紫外線、アトピー、薬物(ステロイド)などが挙げられるのですが、犬では遺伝性がまず多く、その次に加齢性、糖尿病などの全身疾患によるもの、外傷性となります。猫ではまず発生することが稀であり、あったとしてもほとんどが外傷などからおこる続発性白内障です。
診断は水晶体を精査する事なのですが、白内障が起きている70%の症例で、水晶体蛋白誘発性ブドウ膜炎が同時に発生しているという報告があり、なるべく早期の手術が望まれます。
治療としては、麻酔下で白濁した水晶体を超音波で乳化し吸引、人工レンズ挿入し角膜を縫合するという人と大体同じ方法なのですが、概して人とくらべ難易度は高い手術となります。
その他にも緑内障の新しい治療法として、内視鏡+レーザーによる直接ピンポイントで毛様体凝固を行う方法など最新のトピックスもお話いただきました。
現在、眼科に限った話ではないのですが専門的な診断や治療を必要とする病気に遭遇する機会が以前より増えてきたと思います。当院ではなるべく早く治療に入れるように診断に迷いが生じた時には専門医を御紹介させていただいております。早期の診断で病気が重症化するのを防げた経験をまた次の診療に生かせていけるよう頑張ってまいります。

2011年7月26日火曜日

『動物看護士が知っておくべき動物の「がん」の基礎知識』

 7月17日(日) 天満研修センターにて行われましたセミナー『動物看護士が知っておくべき動物の「がん」の基礎知識』に参加してまいりました。
 講師は日本小動物がんセンター センター長の小林哲也先生で、日頃は獣医師向けに講義をされておられる方です。
 今回のセミナーは、「がん」とは何かという基本部分から、治療に使用する薬剤やその注意事項、また管理についてなども詳しくご講義いただきました。

 飼い主様の中には、犬や猫にもがんがあるということをご存知ない方もいらっしゃるかもしれません。
 しかし、近年では犬や猫の暮らす環境が以前と比べて改善されたことなどで、犬や猫の寿命が延びているため、悪性腫瘍で亡くなることが多くなってきました。
 犬では約半数、猫では約三分の一が悪性腫瘍を理由に亡くなっているとの調査結果もあります。

 がんの治療では、薬剤を使用したがんに対する治療と、動物の苦痛を和らげたり生活の質を上げるための緩和治療を行います。
 緩和治療はがんを根治させるための治療ではありませんが、がんを抱えていても動物がより快適に過ごすためのとても重要な治療です。

 どの病気でもそうですが、やはり早期発見が重要です。
 当院でも、診察中に腫瘤が出来ているのを発見することも少なくありません。
 普段からわんちゃんやねこちゃんの身体のあちこちを触って何か腫瘤が出来ていないか、また体重が落ちてきていないかなどをこまめにチェックしてあげてください。

2011年7月25日月曜日

副腎の外科

 7月23日(土) 夜9時半より、北摂夜間救急動物病院にて行われた、酪農学園大学教授 廉澤 剛先生による腫瘍学セミナーに参加してまいりました。
副腎の外科というかなり難易度の高い題材で、周りに分布する血管との苦闘に終始する手術です。ただ最近では、悪性であっても外科的に切除をすれば生存中央値 778日(1~1593日)まで生きる事ができたという発表もあり、決して努力が無駄になるものでもない事が判ってきました。
その他にも最近はあまり行われなくなりましたが、雄猫でよく起こる尿道閉塞に対する外科的アプローチとして先生独自の会陰尿道廔形成術の変法を教えていただきました。毎回深夜にまで及ぶ情熱的な勉強会に感謝しています。

2011年7月12日火曜日

しつけ方教室

7月8日(金) 安国宣子先生による、しつけ方教室が院内にて行われました。

ご参加いただいたのは、チワワのゆずちゃんと飼い主様です。
今回は4回目の実践教室でした。
(これまでの様子についてはこちらをご覧下さい)


しつけ方教室は個人レッスンです。
レッスンの内容は飼い主様のお悩みに合わせて行われます。

安国先生のしつけ方教室は、「飼い主様にわんちゃんの習性や行動をよくご理解していただくこと」 そして、インストラクターがわんちゃんをしつけていくのではなく、「飼い主様にわんちゃんの『しつけ方』を学んでいただくこと」を目的とされています。
また、お教室は個人レッスンですので、他の人やわんちゃんが苦手な子も気兼ねなくご参加いただけると思います。

しつけ方教室については、安国先生のご自宅、または当院での出張教室にてご参加可能です。
しつけに関するカウンセリング・しつけ方教室にご興味のある方、参加をご希望の方は当院までお問い合わせください。

2011年6月27日月曜日

大腸の腫瘍 

 6月25日夜9時半より北摂夜間救急動物病院にて行われた、酪農学園大学 廉澤 剛先生による第10回腫瘍学セミナー「大腸の腫瘍」に参加してまいりました。
私たちの分野では大腸の腫瘍自体、症例数が少なく、また手術時の感染リスクが高い、骨盤腔内というアプローチの困難な場所にあるという理由から二次診療施設を紹介させていただく場合が多かったのですが、廉澤先生の行われる手技の中には、私たちが比較的安全に行える方法もあり、また犬において組織学的には悪性と診断されている症例の多くが、実は真の悪性ではないという実例を教えていただき、これからの診療に非常に役立つ内容でした。
その他にもGIST(胃腸管間質腫瘍)の治療オプションとしてimatinibの投与例など終了予定時間を超え翌26日にまでおよぶセミナーとなりました。

2011年6月24日金曜日

VRCグランドカンファレンス ~整形外科学セミナー

 昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われた整形外科学セミナーに参加してまいりました。
今回も外科の戸次 辰郎先生によるカンファレンスで、創外固定法について様々なパターンについてお話いただきました。
創外固定法は主に開放性骨折や、骨折部位に感染の可能性があるときに有効な方法ですが、特別な器具がなくても行える方法であるため、私たち一般臨床医もよく用いる手技となります。しかしそこにはやはり、外すべきではない基本や、うまく整復するコツが存在します。専門医は多くの症例で様々な経験をしてきているので、お話していただく内容は、私たちにとっては非常に勉強になるエッセンスが詰まっています。このことが少しでも皆様のお役に立てるよう努力してまいります。

2011年6月15日水曜日

しつけ方教室

6月13日(月) 安国宣子先生による、しつけ方教室が院内にて行われました。

ご参加いただいたのは、チワワのゆずちゃんと飼い主様です。
今回は3回目の実践教室でした。
(2回目の様子についてはこちらをご覧下さい)




しつけ方教室は個人レッスンです。
レッスンの内容は飼い主様のお悩みに合わせて行われます。

安国先生のしつけ方教室は、「飼い主様にわんちゃんの習性や行動をよくご理解していただくこと」 そして、インストラクターがわんちゃんをしつけていくのではなく、「飼い主様にわんちゃんの『しつけ方』を学んでいただくこと」を目的とされています。
また、お教室は個人レッスンですので、他の人やわんちゃんが苦手な子も気兼ねなくご参加いただけると思います。

しつけ方教室については、安国先生のご自宅、または当院での出張教室にてご参加可能です。
しつけに関するカウンセリング・しつけ方教室にご興味のある方、参加をご希望の方は当院までお問い合わせください。

2011年6月8日水曜日

全身麻酔管理の実際

6月3日(金) 北摂夜間救急動物病院にて行われた、岐阜大学応用生物科学部客員獣医系准教授 今井彩子先生によるセミナー「全身麻酔管理の実際」にスタッフ全員で参加してまいりました。

動物を相手に行う処置や治療では麻酔が必要な場合がありますが、同時に麻酔によるリスクを伴うことにもなります。
残念ながら、麻酔に使用する薬剤で100%安全なものはありません。
今回のセミナーでは、その麻酔をいかに安全にコントロールしていくかを中心に、薬剤の特徴や選択について、また麻酔をかける際の手技などもご講義いただきました。

当院でも、患者動物に合わせて個々に薬剤の選択をしております。
今後も、より安全な麻酔管理を目指してまいります。

2011年6月4日土曜日

東日本大震災 被災動物救援募金のご報告

この度は、東日本大震災で被災されました方々に謹んでお見舞い申し上げます。

当院では、東日本大震災において被災した動物への救援募金をさせていただいておりました。


5月31日をもちまして募金を締め切り、計8513円を振込みいたしました。
今回の募金は、社団法人 大阪府獣医師会より被災地へとお送りさせていただきます。
ご協力ありがとうございました。

2011年5月27日金曜日

VRCグランドカンファレンス ~腫瘍学セミナー

 昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われた腫瘍学セミナーに参加してまいりました。
今回のカンファレンスは、放射線治療について大阪府立大学にて実際に治療を行っている秋吉 秀保先生をお招きして行われました。
まずはVRセンターの田戸 雅樹先生から、放射線についての基礎的な講義があり、その後秋吉先生から放射線治療についての説明をしていただきました。
放射線治療については人と異なり、麻酔下で照射を行わなければならない、費用も1回の照射で約10万円、それを5~7回行わなければならないという高いハードルがありますのでそうそう一般的ではありませんが、当院でもこの治療で過去に完治した症例を経験していますので、諦めずにチャレンジしていただけたらという気持ちがあります。

2011年5月20日金曜日

軟部外科シリーズ 第3回 門脈体循環シャントのはなし

 昨日夜9時より大阪ペピィ動物看護専門学校セミナールームにて行われた、JBVP主催 大阪レクチャーシリーズ 軟部外科シリーズ第3回 「門脈体循環シャントのはなし ~先天性・後天性・肝性脳症を考える」に参加してまいりました。
講師はネオベッツVRセンターの循環器のエキスパート 進 学之先生です。
門脈体循環シャントとは、簡単にいうと腸から栄養分を取り込んだ血液が肝臓を素通りし、そのまままた全身の血流に戻ってしまう病気です。この異常をもった動物は肝臓で処理されるべきアンモニアなどが、血液の中に高い濃度で残っている事が多いので、肝性脳症と呼ばれる神経症状を伴っている場合があります。
この病気を見つけていく最初のスタートとして、血液検査が重要となっていきます。院内でのアンモニア濃度測定、食前食後の胆汁酸濃度を測定することによって、腸肝循環に異常がありそうなのかを診ていきます。確定診断にはCT検査が必要なのですが、その診断精度は、ほぼ100%と言われていました。
門脈体循環シャントの手術には、現在様々な手技があります。すべてにおいて安全な方法というものはありませんが、進先生の行っている手技は手間はかかるのですが精度の高い方法だと思われます。
術後の合併症として5%ほどの動物で発作が起きています。予後不良で亡くなってしまう動物もおられるので、術前の話合いは重要となります。しかしもし手術をして、元気になれたり、将来予測される病的な状態を避けられる可能性が高いのであれば、手術は充分に検討する価値があると思います。
最近では、飼主様の意識の向上、診断精度の向上により、この病気を早期発見する機会が増えてきております。尿結石といった一般的な異常から、この病気が発見されたケースも多々ありますので、気になる事があれば、動物病院に御相談してしてください。

2011年5月14日土曜日

しつけ方教室

5月9日(月) 安国宣子先生による、しつけ方教室が院内にて行われました。

ご参加いただいたのは、チワワのゆずちゃんと飼い主様です。
今回は2回目の実践教室でした。
(1回目の様子についてはこちらをご覧下さい)


しつけ方教室は個人レッスンです。
レッスンの内容は飼い主様のお悩みに合わせて行われます。

安国先生のしつけ方教室は、「飼い主様にわんちゃんの習性や行動をよくご理解していただくこと」 そして、インストラクターがわんちゃんをしつけていくのではなく、「飼い主様にわんちゃんの『しつけ方』を学んでいただくこと」を目的とされています。
また、お教室は個人レッスンですので、他の人やわんちゃんが苦手な子も気兼ねなくご参加いただけると思います。

しつけ方教室については、安国先生のご自宅、または当院での出張教室にてご参加可能です。
しつけに関するカウンセリング・しつけ方教室にご興味のある方、参加をご希望の方は当院までお問い合わせください。

なかで動物病院 (072-271-7225)

2011年4月27日水曜日

ゴールデンウィークの診療について

ゴールデンウィーク中は通常通り診療いたします。
日曜日、祝日は休診日になりますので、お気をつけ下さい。



なお、ゴールデンウィーク中は混雑することが予想されます。
診察はもちろん、お薬・ごはん等の受け渡しにもお時間を頂くことがございます。

恐れ入りますが、予めお時間に余裕を持ってご来院いただきますよう、お願いいたします。

2011年4月20日水曜日

しつけ方教室 カウンセリング

4月6日(水)  安国宣子先生による、しつけ方教室の初回カウンセリングが院内にて行われました。
しつけ方教室は、安国先生のご自宅、または当院での出張教室にてご参加可能です。

しつけ方教室は、初回はカウンセリング(わんちゃんの同伴はなし)、2回目以降はわんちゃんと一緒に参加していただく実習で構成されております。
通常しつけ方教室の参加対象となるのは、生後6ヶ月以上のわんちゃんとその飼い主様ですが、この日ご参加頂いたのは、生後4ヶ月の柴犬・シロちゃんと飼い主様です。


今回は
 ・服を引っ張る
 ・跳びつく
 ・手や服を噛む
 ・ペットシーツで排泄がうまくできない
などについてのご相談をされていました。

また、飼い主様は以前お家にいたわんちゃんと、新しくお家に迎え入れたシロちゃんの、性格や行動の違いによる接し方にも様々なお悩みを抱えておられるご様子でした。

生後6ヶ月未満のわんちゃんにはパピークラスという別のお教室がございます。しかし、今回はパピークラスへの参加ではなく「しつけ方の相談をメインで」と、飼い主様からのご依頼でしたので、カウンセリングにご参加いただく運びとなりました。
また、カウンセリングのみのご希望でしたが、わんちゃんの様子を見せていただいた方がいいとの安国先生のご判断で、わんちゃんも一緒にご来院いただきました。


安国先生のしつけ方教室は、「飼い主様にわんちゃんの習性や行動をよくご理解していただくこと」、そして、インストラクターがわんちゃんをしつけていくのではなく「飼い主様にわんちゃんの『しつけ方』を学んでいただくこと」を目的とされています。
また、お教室は個人レッスンですので、他の人やわんちゃんが苦手な場合も気兼ねなくご参加いただけると思います

しつけに関するカウンセリング・しつけ方教室にご興味のある方、参加をご希望の方は当院までお問い合わせください。

なかで動物病院(072-271-7225)

2011年4月15日金曜日

しつけ方教室

4月4日(月) 安国宣子先生による、しつけ方教室が院内にて行われました。
今回は、カウンセリングを終えての1回目の実践教室でした。

ご参加頂いたのはチワワのゆずちゃんと飼い主様です。
カウンセリングの様子については、こちらをご覧下さい。



しつけ方教室は個人レッスンです。
レッスンの内容は飼い主様のお悩みに合わせて行われます。

安国先生のしつけ方教室は、「飼い主様にわんちゃんの習性や行動をよくご理解していただくこと」 そして、インストラクターがわんちゃんをしつけていくのではなく、「飼い主様にわんちゃんの『しつけ方』を学んでいただくこと」を目的とされています。
また、お教室は個人レッスンですので、他の人やわんちゃんが苦手な子も気兼ねなくご参加いただけると思います。

しつけ方教室については、安国先生のご自宅、または当院での出張教室にてご参加可能です。
しつけに関するカウンセリング・しつけ方教室にご興味のある方、参加をご希望の方は当院までお問い合わせください。

なかで動物病院 (072-271-7225)

2011年4月7日木曜日

しつけ方のカウンセリング

3月14日(月) 安国宣子先生による、しつけ方教室の初回カウンセリングが院内にて行われました。
しつけ方教室については、安国先生のご自宅、または当院での出張教室にてご参加可能です。


今回ご参加いただいているのは、チワワのゆずちゃんの飼い主様で、
・食べているものに唸る
・大型犬に向かって吠えていく
・ペットシーツの上で排泄ができない
などについてのご相談をされていました。

しつけ方教室は、初回はカウンセリング(わんちゃんの同伴はなし)、二回目以降はわんちゃんと一緒に参加していただく実習で構成されております。
実習は、必要に応じた内容・回数をご相談させていただいた上でお教室の予定を立てさせていただいております。
飼い主様のご希望により、カウンセリングのみのご参加も対応していただけます。

今回は、わんちゃんの様子を見せていただいた方がいいとの安国先生のご判断で、わんちゃんも一緒にご来院いただきました。そして、当初はカウンセリングのみのご希望でしたが、安国先生とお話をされた後二回目以降の実習も参加されることになりました。

安国先生しつけ方教室は、「飼い主様にわんちゃんの習性や行動をよくご理解していただくこと」、そして、インストラクターがわんちゃんをしつけていくのではなく「飼い主様にわんちゃんの『しつけ方』を学んでいただくこと」を目的とされています。
また、お教室は個人レッスンですので、他の人やわんちゃんが苦手な場合も気兼ねなくご参加いただけると思います♪

しつけに関するカウンセリング・しつけ方教室にご興味のある方、参加をご希望の方は当院までお問い合わせください。

なかで動物病院(072-271-7225)

2011年3月28日月曜日

VRCグランドカンファレンス ~腫瘍学セミナー

 3月24日(木)夜9時よりネオベッツ主催のカンファレンス「化学療法~匙を投げずにサジ加減」に参加してまいりました。化学療法の基本的な知識からその臨機応変な使い方、(いわゆるサジ加減!)についてネオベッツVRセンターの田戸 雅樹先生にお話していただきました。
腫瘍病変に対して行う治療の中で、最も多く行われる処置は外科であり、なおかつ腫瘍細胞を減らすのに最も効果的な処置です。
しかし、血液の癌など特定の場所に限定されない種類のものでは、抗癌剤が最も有効な手段となります。
抗癌剤を使った治療の中で、一番大事なことは副作用で動物を苦しめない事ですが、逆に副作用さえ出なければ、型にはまった四角四面の治療をするのではなく、臨機応変にその子の体と相談しながら、使える可能性のある薬剤はすべて使いチャレンジしていく方が、良い結果が出ているようです。
今回のセミナーで、基本的なルールは守りながらも、その動物の苦しみを軽くする為にあらゆる可能性を試していく柔軟性が必要だと感じました。

2011年3月18日金曜日

即戦力眼科学シリーズ ~臨床兆候からアプローチ~

 一昨日、夜9時半より北摂夜間救急動物病院にて行われた、ファーブル動物病院眼科 山下 真先生による眼科セミナーにツルノ獣医科病院副院長 鶴野 佳洋先生の御厚意で参加してまいりました。
まずはじめに、東日本大震災により被災された方々への黙祷を行い、皆が様々な気持ちを心に勉強会が始められました。
今回のセミナーは「濁った眼」という副題がついたシリーズの第1回目で、眼の濁りが見られた時における、角膜疾患ついて細かく話しをしていただきました。
ボストンテリアに見られる内皮ジストロフィー、猫で見られる原因不明の急性水泡性角膜症、キャバリアに多い瞬目不全、ダックスに見られる点状角膜炎、その他多くの疾患について内容の濃いセミナーでした。
我々一般診療医は専門医と違い、高度な診断器具を持つ限界がありますが、少しの工夫で診断に役立つ方法なども教えていただきました。これらの知識を日々の診療に役立てていきたいと思います。

2011年3月9日水曜日

高齢期疾患の早期発見と各病期の戦略-エビデンスに基づく慢性腎臓病の治療-

3月6日(日)、ヒルトン大阪で行われた、日本ヒルズ・コルゲート株式会社主催の春のヒルズ学術講演会2011「高齢期疾患の早期発見と各病期の戦略-エビデンスに基づく慢性腎臓病の治療-」に参加してまいりました。
講師はカリフォルニア大学サンディエゴ獣医療センターの腎泌尿器学と血液透析サービスのコーディネーターをされているDr.Sheri Rossで、腎臓や泌尿器に関する研究を多くされている方です。

今回のセミナーのテーマである慢性腎臓病は、中高齢の犬・猫でよくみられる病気の一つです。
犬・猫の慢性腎臓病を4つの段階に分け、その段階に合わせた治療をしていくことで病気の管理を行う、という診療ガイドラインのもとに講演が進められました。

慢性腎臓病において重要なのは、初期の段階で病気を発見することです。
定期的に健康診断として行った血液検査で発見されることも少なくありません。
早めに治療を始めれば、病気自体を完治させることは出来なくとも進行を遅らせること、生活の質を維持してあげることは可能です。

また慢性腎臓病において食事管理は大変重要です。
初期の段階から腎臓病に対応した療法食を食べさせることで、一般食を食べている個体よりも生存期間が長くなり、かつ慢性腎臓病の進行も遅らせることが出来るなどのデータも挙げられていました。
慢性腎臓病が進行し、食欲がなく自分で食べることが出来ない場合は、食道に栄養補給用のチューブを設置し、そこから流動食を摂らせることで、栄養不良および脱水を改善するという処置を推奨されていました。

・最近、少しずつ痩せてきた気がする
・以前より水を頻繁に飲んでいる
・おしっこの回数が増えた
・食欲が落ちたような感じがする
・毛がぼそぼそしている、毛並みが悪くなった

そのようなことはありませんか?
もしかすると、それは加齢による変化だけではなく慢性腎臓病の症状として現れているものかもしれません。
当院では、普段から定期的な受診および検査を推奨しております。
上記項目に思い当たることがある場合は早めに動物病院での受診をお勧めいたします。

2011年3月7日月曜日

実践 麻酔・疼痛管理

 昨日午後2時より大阪市内で行われた、北尾 貴史先生による麻酔セミナーに参加してまいりました。
北尾先生は日本の獣医師免許を修得された後、オクラホマ州立大学獣医学部に入られアメリカの獣医師免許も修得され、麻酔科レジデントとしてアメリカの学生の教育を行ったという経歴の方です。
今回のセミナーでは体重別の麻酔回路の使いわけ、幼齢動物の麻酔、短頭腫の麻酔、帝王切開時の麻酔、腎疾患の麻酔など実践的でかつアカデミックな内容のセミナーでした。
セミナー内でも頻繁に言われていた事ですが、痛みをコントロールすることが麻酔薬の減薬につながり、結果的に麻酔の安全性を上げることとなります。

2011年2月28日月曜日

高脂血症の実態と診断および治療法の実際

昨日、朝10時より行われた、日本獣医生命科学大学 獣医内科学 講師 水谷 尚先生による「高脂血症」についてのセミナーに参加してまいりました。
いままで犬においては、高脂血症によって動脈硬化は起こらないというのが通説になっておりましたが、人に較べれて少ないとはいえ、ある条件さえ整えば発生することが判ってきました。また最近、当院でも治療する機会の増えた甲状腺機能低下症の症例では、アテノローム性動脈硬化が起こるというデータもあるそうです。
糖尿病、甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症といった基礎疾患をもたない原発性高脂血症は、ミニチュアシュナウザー、シーズー、シェルティーなどの犬種に発生し、多くが先天性疾患です。
基礎疾患のない高脂血症だということが判った場合は、リポ蛋白質プロファイルを行い、その高脂血症のタイプにより治療法を決定していきます。
現在使われている薬はスタチン系、フィブラート系に大きく分けられますが、そのタイプにより食事療法、EPA、ビタミンなども使い治療していきます。
今回のセミナーは獣医師として、「目からウロコ」といった衝撃を受けました。人の医療では耳にたこができるほど言われているメタボリックシンドロームが、これから先獣医領域でも当り前のように言われる時代になるのかもしれません。

2011年2月25日金曜日

VRCグランドカンファレンス ~整形外科学セミナー

 昨日夜9時よりネオベッツ主催で行われた、戸次辰郎先生による「ピンニングと創外固定法の基礎」のカンファレンスに参加してまいりました。
今回は基本的な事柄から、ちょっとしたコツといったものまで、貴重なアドバイス豊富な内容でした。
クロスピンに関しては挿入の順番の重要性、また大腿骨遠位端骨折でのピンの設置位置など多くの症例をこなされてきた戸次先生ならではの意見を聞かせていただきました。
創外固定法については、整形外科が少ない本院でも比較的多く行う方法なのですが、正確な位置決めなどでは、やはりCアームでの透視下で確認を行うほうが確実なようです。高度な技術には高価な器材が必要なのだとあらためて感じさせられます。
骨折の整復は一筋縄ではいかない事が多いとよく感じますが、いかに基本に忠実に、かつ、生体のメカニズムに沿った治療を進めるかが、早い治癒に繋がるという事を再確認させていただきました。

2011年2月3日木曜日

ホームドクターのための慢性腎不全の診断と治療

 昨日夜9時半より北摂夜間救急動物病院にて行われたモノリス主催のセミナーにスタッフ全員で参加してまいりました。今回はクワハラ動物病院 院長 桑原康人先生に慢性腎不全の診断と治療というテーマでお話を聞かせていただきました。
慢性腎不全になる原因の中にペルシャの多発性嚢胞腎、アビシニアンのアミロイドーシス、アメリカンショートヘアーの腎異型性、バセンジーのFanconi症候群など種に特異的な疾患がありますので注意して診断を進めなければなりません。
しかし上記のような原因は慢性腎不全の中でも少数派であり感染性、腫瘍性など原因が特定できるもの以外のものの方が多いのが現状です。ただし原因が特定できない慢性腎不全の治療に違いはないため速やかに治療を進めていく事となります。
治療の評価としてはCRE、BUN、リン、PCV、UPC(尿蛋白/クレアチニン比)が重要な予後因子であり、また治療においては自宅での補液療法、ACE阻害薬の有用性、貧血時におけるエリスロポエチンの重要性などをお話していただきました。
近年、動物の高齢化が進んでいく中、慢性腎不全は特に日常的に見られる病気です。お家のわんちゃんやねこちゃんを見て、すこしでも痩せてきた様子があれば、できるだけ早めに病院に連れて行ってあげてください。

2011年1月28日金曜日

VRCグランドカンファレンス ~腫瘍学セミナー2

 昨日夜9時よりネオベッツ主催で行われた、田戸雅樹先生よる「腫瘍内科学」のカンファレンスに参加してまいりました。

今回のセミナーでは腫瘍を内科の側面からどのように治療していくかについて、専門的なお話を聞かせていただきました。
腫瘍そのものに対する治療だけでなく、腫瘍随伴症候群で起こるさまざまな症状(癌性悪液質、DIC、高Ca血症、低血糖、肥大性骨症、重症筋無力症、赤血球増加/貧血、白血球増加/減少、血小板増加/減少)をいかにコントロールし、その動物の日々のクオリティをあげていくかが重要となります。

高齢の動物が増えている現在、腫瘍は私たちの診療の中でも日常的に遭遇する疾患です。いかに早期にかつ正しい診断ができるかが重要なのですが、人と違いあらゆる面で困難な状況があります。
そのような中で単純なのですが有効だと思えることは、飼主様が日頃からその動物を観察しいち早く異変に気付いていただく事だと思います。
腫瘍によっては根治できるものもあれば、共存していかなければならないものもあります。どれだけその動物が幸せな時間を持てるのか、私たちも少しでもお役にたてるよう頑張ります。

セミナー風景です

2011年1月6日木曜日

体に良い?こんな食事あんな食事

待合に食事に関するポスターを新しく掲示いたしました!


体に良いと思われがちなあんな食事、本当に体に良いのでしょうか?
喜んで食べているそのおやつ、実は病気への第一歩につながっているのでは?

ご来院の際は、是非チェックして下さい♪