2013年12月27日金曜日

HJSセミナー 実習 端々吻合

 昨日夜9時から、HJS主催の消化器疾患ガイドラインセミナー「直腸〜肛門の外科疾患ガイドライン 端々吻合」に参加してまいりました。
 前回からの流れで、今回は結腸〜肛門にかけての手術についての勉強会です。このセミナーは撮影OKなので、ビデオをセットし手術動画もしっかり記録できます。肛門管へのアプローチ法として肛門の直上からアプローチする背側アプローチ、横からの背側アプローチについてかなり詳細に動画で見せて頂きました。またPull-Through法、Pull-Out法など充実した内容でした。

2013年12月12日木曜日

貧血症例の診断アプローチ

 昨日夜9時半より、モノリス主催で行われた血液学セミナー「貧血症例の診断アプローチ」に参加してまいりました。場所は北摂夜間救急医療センター葉月会セミナールーム、岐阜大学付属動物病院院長、血液内科教授 鬼頭 克也先生の講演でした。
 現在、岐阜大学付属動物病院にて第一線で診療にもあたられている病院長の言葉には非常に重みのある内容でした。特に、その昔紹介されてきた様な比較的シンプルな病態ではなく、今は非常に複雑化した難解な症例が多いそうです。また飼育頭数が多い事とも関係はあるのでしょうが、鬼頭先生の元に紹介されてくる症例は圧倒的にミニチュアダックスが多いそうです。確かに、当院での免疫系に関連した難治性症例には昔はマルチーズが代表格だったのが、ミニチュアダックス、ウェルシュコーギーにシフトしております。
 貧血の評価は、血液検査をしてみないと分からないのですが、日常で簡単に判断できる指標があります。それは石を噛む、小石・砂を食べる、コンクリートを舐めるといった異嗜行動です。もしこのような行動に気づかれたら病院を受診してください。
 

2013年12月6日金曜日

メリークリスマス!



飼い主様より 手作りのクリスマスリースをいただきました。
素敵なクリスマスプレゼントをありがとうございます。
早速、待ち合いに飾らせて頂きました。
とても、よい香りがしますよ。
ご来院の際には 是非ご覧になってください♪




猫ちゃんの待合室もお色直し。


2013年11月29日金曜日

HJSセミナー 実習 側々吻合

 昨日夜9時より、HJS主催の消化器疾患ガイドラインセミナー「腸の外科疾患ガイドライン 側々吻合」に参加してまいりました。
 今回も中島先生による「ハーバード白熱教室」ばりの活気に溢れた講義を受け、さらに模型を用いた実習に入ります。実習中も個別に指導をしていただき、なかなか自分では気づかないクセを正してもらえます。
 講義の内容は解剖から器具の選択、腹部にアプローチする場合のコツなどをお話頂きながら、胃ー腸管吻合のテクニックを学びました。中島先生の講義を受けていてつくづく思う事は、このような指導をもっと早く受けたかったということです。あれだけ時間のあった大学時代に、これだけのボリュームと情熱のこもった授業があったならと悔やまれます。今は本当にいい環境です。

2013年11月15日金曜日

猫の糖尿病

 昨日夜9時より、JBVP主催で行われた「猫の糖尿病」に参加してまいりました。
 今回も前回に引き続き、たけうち動物病院 竹内 和義先生です。
 猫の糖尿病は、犬と違いⅡ型糖尿病が80〜95%を占めます。肥満が最も重要な発病因子ですが、飼っていらっしゃる方があまり気にされていない場合が多いため、病気が進行してからでないと病院にはかかられない傾向があります。
 猫は犬と違い肉食動物ですので、市販の粗悪なキャットフードを食べ続けることで糖尿病になってしまうことがあります。
 猫の糖尿病は犬と違い、治る事がある病気ですので、いかに早くうまいコントロールをするかにかかってきます。症状はお家では判断のつかない場合が多いですので、血液検査で持続的な高血糖を示しているなどしっかりと診断していく必要があります。

2013年11月1日金曜日

HJSセミナー 実習 食道の縫合

 昨日夜9時より、HJS主催の消化器疾患ガイドラインセミナー「食道疾患、胃疾患ガイドライン 食道の縫合〜裏側での結紮〜」に参加してまいりました。
 今回のセミナーは「手術屋」として活躍されている中島 尚志先生が講師をされ、後半を実際に食道を模した材料を使い、3-0 PDSを用い食道の内腔側に結び目を残す縫合のトレーニングを行いました。
 最初に基本的なお話からはじまり、しかし一般に言われている外科の「迷信」をデータと理論により解説して頂いたりと、かなり内容的にはマニアックです。頚部食道のアプローチから食道切開、右大動脈弓遺残手術、食道憩室、食道裂孔ヘルニアなどを実際の手術動画を見ながら解説いただきました。その後、胃の手術に移り、基本的な胃切開から胃捻転、幽門狭窄に対する幽門拡張術(Y-U前進幽門形成術、有茎胃弁)についても事細かに、動画を見ながら解説いただきました。
 今回は初めて参加するセミナーでしたが、30人定員満員で、稀に見る熱気に包まれた会場でした。

2013年10月25日金曜日

VRCグランドカンファレンス「腫瘍学シリーズ」

 昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われた腫瘍学カンファレンスに参加してまいりました。
 今回のテーマは胸腔内腫瘍です。まず肺ガン、人では全がん死亡の19%を占め、男性ではがんの死亡原因第1位となっています。犬でも比較的多いもので、ビーグルでは約10%で発生すると言われています。平均10.9歳、13歳以上で増加します。咳が出るなどの症状を伴わない場合もありますので、10歳以上でよく寝るようになった、体重が減ってきたなどを感じられたら胸部レントゲン検査が推奨されています。約25%が無症状だと言われていますので注意が必要です。特徴的な症状として、四肢の骨が太くなる肺性肥大性骨症があります。足の骨が太くなり歩き方が木馬のような変な歩行をしているなら要注意です。
 その他にも組織球肉腫、胸腺種、猫の肺ガン、また腫瘍に間違えやすい肺葉捻転、肺膿瘍についてお話されました。
 最後は動画を交えながら開胸手技、肺葉切除についてアドバイスを頂きました。

2013年10月11日金曜日

犬の糖尿病治療最前線

 昨日夜9時より、大阪ペピィ動物看護専門学校セミナー室にて行われたJBVP(日本臨床獣医学フォーラム)主催の内分泌シリーズ「犬の糖尿病」に参加してまいりました。講師はたけうち動物病院 竹内 和義先生です。
 当院でも過去、現在多くの糖尿病患者様の治療にあたっています。その中でやはり、過去のPZI販売中止から、現在使用しているランタス発売までの空白期間は、最も辛い時期だったと思います。この期間、猫の糖尿病患者様は非常に困難な治療であった記憶が残っております。
 今回のセミナーはベーシックな講義でしたが、その中でも最新のデータをお話頂き、特に海外でのインスリン事情や、国内製薬メーカーの秘話などは興味ある内容でした。
 いつも飼主様にお話するとおり、犬はほぼ Ⅰ型糖尿病ですので、必ず一生、飼主様ご自身でインスリン注射をする覚悟が必要です。これが出来なかったが為に亡くなられたわんちゃんもいらっしゃいます。また猫はほぼ Ⅱ型糖尿病ですので、インスリン治療を止める事が出来るかもしれません。何より肥満や膵炎など、糖尿病を発症させるきっかけを起こさないように飼主様の日々の注意を怠らないよう気をつけてください。

2013年10月7日月曜日

Dr.今井 麻酔学セミナー

 10月4日(金) 夜9時半より、北摂夜間救急動物病院にて行われた日本小動物医療センター 麻酔・疼痛管理アドバイザー 今井 彩子先生による麻酔学セミナー「本当にあった怖い麻酔」に参加してまいりました。
 今回はまず人の麻酔事故発生率と獣医医療との比較から始まり、獣医医療でのPS分類ハイグレード症例の死亡率の高さ、人の医療での低さに驚きました。ここで明らかなのは獣医医療での難しさ(獣医師の未熟、症例のバラエティ、マンパワーの不足)を感じます。
 その後、実際の手術時のモニタリングデータを見ながら、血圧の変化がいかに術中に発生しているかについてその理由、原因、対処方法などを症例ごとに細かくお話しいただきました。
 獣医医療では、対象症例が小さいため術者や助手の手による圧迫だけでさえ、生命を脅かすほどの血流障害を出すことがあります。無事に終わった手術の中にも、このような危険が潜在していたんだと考えさせられたセミナーでした。

2013年10月2日水曜日

臨時休診のお知らせ



誠に勝手ながら、10月4日(金)午後~5日(土)は
だんじり祭のため休診とさせていただきます。

なお、10月6日(日)は日曜にあたりますので休診とさせていただいております。

10月4日(金)の午前中は、平常通り診察致しますが混雑する恐れがございます。
予めお時間に余裕をもってご来院ください。
また、だんじり祭の関係で当院周辺の道路にて交通規制がかかる可能性がございますので、ご来院・ご帰宅の際には十分ご注意ください。

ごはんやお薬のご注文は、お早めにご連絡くださいますようお願いいたします。

2013年9月27日金曜日

VRCグランドカンファレンス「神経病学シリーズ」

 昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われたカンファレンスに参加してまいりました。
今回は、“各論からせまる神経疾患” 脊髄疾患編② 〜椎間板ヘルニア以外の脊髄疾患〜という題材でVRセンターの王寺 隆先生が講演されました。
 最初に頚部に起こる脊髄疾患の代表として、環軸亜脱臼を挙げられ基本的な診断おレントゲン時の注意点、CT、MRI像による予後判定、外科的治療の術式と治療成績など、また手術における合併症については、先ほどのMRI像における予後判定で問題となる呼吸不全や喉頭麻痺について述べられました。第二部では尾側頸椎変形性脊髄症(ウォブラー症候群)について語られました。ドーベルマン、ワイマラナーといった犬種では後肢のふらつきが見られた時に、まず腰部椎間板ヘルニアを疑うより、頚部脊髄疾患を疑う方がよいといった事や、CT/MRIによる診断、治療法の選択について述べられました。最後に脊髄疾患を起こす腫瘍性病変、肉芽腫性髄膜脳脊髄炎についてお話しされ2時間にわたる充実した講演が終了しました。

2013年9月20日金曜日

Dr. 萩尾 心臓病学定期セミナー 第3回

 昨日夜9時半より、北摂夜間動物病院にて行われた宮崎大学 獣医外科学教授 萩尾 光美先生による心臓エコーのセミナーに、ツルノ獣医科病院副院長 鶴野 佳洋先生と参加してまいりました。
 今回はまず、院内でできる血流動態確認として、エアバブルを活用したコントラストエコーの活用について、そしてよくMモードで陥りやすい盲点、左房拡張の評価LA/Ao計測における計測部位による違い、ドプラ法利用時における注意事項などを2時間のセミナーをフルにお話されました。
 日頃の診療で、特に猫の心エコーは術前検査としてルーチンに行っておりますが、今まで以上に注意して行うポイントを確認させていただいたセミナーでした。

2013年8月26日月曜日

皮膚病セミナー

 一昨日、土曜日夜9時半より葉月会主催で行われた、元東京農工大学の岩崎 利郎先生による皮膚病セミナーに参加してまいりました。
 今回は2ndシーズン最後のセミナーで脂漏症、肉芽腫性脂腺炎、肝・皮膚症候群、エーラス・ダンロス症候群について2時間たっぷりと講義いただきました。脂漏症とは読んで字のごとく油が普通以上に多く漏れ出て、皮膚が油っぽい状態です。アトピー性皮膚炎を持つ症例では、アポクリン汗腺の働きが活発になりますので皮膚が濡れた状態になっている場合があります。コッカースパニエルやシーズーなどは本態性脂漏症である場合が多いので、皮膚ケアを特に、外耳炎の症状が強くでるので耳の洗浄を根気強く続ける必要があります。
 皮膚を専門で診てこられた先生の経験に基づいたお話は、臨床家である私達には非常に分かりやすく勉強になりました。

2013年8月23日金曜日

VRCグランドカンファレンス 「眼科学シリーズ」

 昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われた眼科学カンファレンス「白内障ってどうしたらいい」に参加してまいりました。
 今回も眼科専門医 小山 博美先生が白内障について、基礎的な事から実際の治療までお話くださいました。
 白内障の原因の中で最も多くを占めるのが、遺伝です。これは純血種自体が白内障の遺伝を持ちやすいからで、プードル、チワワ、ダックス、ポメラニアン、ヨークシャーテリア、柴犬、シーズー、マルチーズ、フレンチブル、ミニチュアシュナウザーなど飼育頭数上位に挙る犬種はすべて発症するリスクを持っています。
 治療の原則は外科的な水晶体の摘出です。現在は超音波乳化吸引術という方法で水晶体内容物を取り除き、人工レンズを挿入するのが一般的です。ただ手術の適応かどうかは、専門医の判断が必要となります。
 よく皆さんが白内障と思われ来院され、診させて頂くと核硬化症という老化現象だったという事があります。この核硬化症というのは、一見、眼が白く濁って見えるのですが、視覚に問題ない場合が多いです。ただ一見同じように見えますので、まずは病院にいらしてください。

2013年7月15日月曜日

2013年 8月夏期休暇のお知らせ

2013年8月14日(水)〜16日(金)は、
勝手ながら、休診とさせていただきます。
8月12日(月)、13日(火)、17日(土)は平常通り診療いたします。








また、業者の夏期休暇の関係により、フード等の注文品をご用意に時間がかかる場合がございます。

ごはん、お薬などのご注文がございましたら、恐れ入りますがお早めに御連絡頂きますよう、お願いいたします。



2013年6月28日金曜日

VRCグランドカンファレンス 「腫瘍学シリーズ」

 昨日夜9時よりネオベッツ主催で行われた、カンファレンス「腫瘍学シリーズ」に参加してまいりました。今回は消化管腫瘍と題し、ネオベッツVRセンター腫瘍専門医 田戸先生が経験された、口(舌)〜肛門までに発生する様々な腫瘍を、2時間みっちりお話いただきました。
 嘔吐、吐出、体重減少や下痢、下血など症状から病変の部位を判断し、X-Ray、エコー、CT、MRI、内視鏡など画像診断に進みます。舌の扁平上皮癌、胃の腺癌、リンパ腫、空回腸の腸腺癌、消化管間細胞腫瘍、直腸の直腸腺癌など様々な症例を示し説明されました。その中でも、田戸先生自身が痛い目に会った症例についてお話頂いた事は、非常に勉強になり、今後の診療の中でも役に立つことと思います。

2013年6月24日月曜日

WJVF 第4回大会

 6月22日、23日の2日間、ホテルニューオータニ大阪で開催されたJAHA (日本動物病院福祉協会)とJBVP (日本臨床獣医学フォーラム)の合同学会WJVF (West Japan Veterinary Forum)に参加してまいりました。
 22日は看護師の福原のみ、23日は私と福原の二人で出席しましたが、会場は多くの先生や看護師、学生であふれていました。この学会は複数の会場で同時に様々なセミナーが開催され、朝の9時から夕方6時までみっちりと勉強ができるようになっています。
 セミナーだけでなく協賛企業の展示会もあり、普段はゆっくりお話の出来ない事や、まだ発表されていない新製品の情報が聞けたりと、休憩時間も休む暇がないほど充実した学会でした。

2013年6月14日金曜日

歯科学セミナー

 昨日夜9時より行われた、歯科学セミナー「口腔外科の基礎と口腔内腫瘍の概要」に参加してまいりました。講師は歯科を専門で診られている戸田 功先生です。
 今回のテーマのとおり、一般的によく行われる歯科治療より一歩踏み込んだ外科を主体とした内容でした。特に下顎骨の骨折は、たまに我々も遭遇するものではありますが、整形外科という立場からのアプローチと歯科学からのアプローチでこれだけ差があることに少し感動を覚えるほどでした。
 口の中はなかなか普段から見づらい場所であるため見過ごしがちになってしまいます。またしっかり診るためには、麻酔処置が必要となるため踏み出しにくい治療になってしまいますが、大事になる前にしっかりと対処する必要があります。

2013年6月1日土曜日

潜在精巣

 潜在精巣(睾丸)とは、本来の位置である陰嚢に精巣が下りていないもので、わんちゃんでは約10%ほどの確立で見られます。ねこちゃんでは比較的珍しく、品種的ではペルシャに多いと言われております。
 潜在精巣は、遺伝性であるため繁殖には不適合です。またその子自身も精巣が腫瘍化しやすいため早期に摘出することが勧められます。
 しかしここで厄介な事が、あるはずの精巣がなかったり、まだ分化途中で精巣が1つの形に形成されておらず取残してしまったり、想定外の場所にあったりする事があります。
 これらのリスクを回避するのに、最も有効なものがCT検査です。万が一を想定する事が、後悔をなくす最良の手段といえるでしょう。
 先日来られたねこちゃんですが、左側の潜在精巣でした。オーナー様も知らなかったとのことです。
 たまたま同時期に来られたねこちゃんで、同じ位置で潜在精巣があった事がありましたので注意深く探っていくと鼠径部にありました。


正常な精巣と比べて小さい方が潜在精巣です。




2013年5月24日金曜日

VRCグランドカンファレンス 「神経病学シリーズ」

 昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われたVRCグランドカンファレンスに参加してまいりました。今回は“各論からせまる神経疾患”〜脊髄疾患編① 頚部椎間板ヘルニア〜と題し頚部で起こる神経疾患についてお話いただきました。
 犬種別発生率では、やはりミニチュアダックスが1番に上がりますが、2番手にフレンチブルドックが入ってきます。このフレンチブルの特徴としては、他の犬種が平均8歳前後での発生ピークをむかえるのに対し、この犬種は3歳未満で発病します。診断はまず身体検査で神経学的な異常の有無を確認し、MRIで神経の病変を確認していきます。治療としては、軽度のものであれば半数は内科療法で治ります。しかし痛みが激しい場合や、神経症状が強いものは外科的な治療が推奨されます。

2013年4月27日土曜日

ゴールデンウィーク中の診療について

ゴールデンウィーク中は 通常通り診療致します。
診療時間は 午前9時〜12時、午後4時30分〜7時30分です。
日曜・祝日は休診日となります。

なお、ゴールデンウィーク中は混雑することが 予想されます。
診察、お薬のご用意、FOODのお渡しにもお時間をいただく可能性がございます。

恐れ入りますが、予めお時間に余裕をもってご来院いただきますようお願いいたします。

2013年3月29日金曜日

VRCグランドカンファレンス 「眼科学シリーズ」

 昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われたVRCグランドカンファレンスに参加してまいりました。今回はVRセンターで眼科を専門とされている小山先生の眼科学シリーズ「緑内障と向き合おう」でした。
 緑内障は犬ではよく見られる眼の病気ですが、多くは病院に来られて診断がついた時にはすでに視力を失っている場合が多い病気です。このことからこの病気を早期に発見できれば迅速に眼圧を下げ視力の温存に努め、残念ながら視力を失ってしまったとしても高眼圧からくる痛みを取るために緑内障の治療を行います。また近年分かってきたこととして緑内障を発症した症例は、いずれ反対側の眼も緑内障を発症するリスクが高いという事です。
 原発性緑内障は好発犬種が分かっております。日本で多い犬種の中ではコッカースパニエル、シーズー、チワワ、プードル、そしてもっとも眼科専門医の中で有名なのが柴犬です。これらの他にも52犬種が報告されておりますので、該当する犬種が眼を痛がるという症状で来られれば眼圧を必ず測定するようにしております。

2013年3月8日金曜日

VRCグランドカンファレンス 「MR(僧帽弁閉鎖不全症)セミナー」

 昨日夜9時より、大阪ペピイ動物看護専門学校セミナー室にて行われた、ネオベッツ主催のグランドカンファレンスに参加してまいりました。今回はベーリンガージャパン共催で日本大学 上地 正実教授による僧帽弁閉鎖不全症についての講演でした。上地先生は体外循環装置を使用した心臓外科では有名な方で、心臓に関してはエキスパートと言われる先生です。
 僧帽弁閉鎖不全症は、犬の心臓病の中では非常にポピュラーな疾患で、症状の程度の差はあれ多くの高齢犬で患う病気です。また好発犬種にも特徴があり、以前はマルチーズが非常に多く見られましたが、現在ではチワワが上位に上がってきております。検査方法も従来行われてきたX線検査、エコーだけでなく血液中のNT-proBNPを計ることによって、呼吸器の問題で発咳しているのか、心臓の問題なのかを見極めることができるようになりました。
 今回はピモペンダンという薬の使用について最新のデータを紹介されながらお話頂き有意義な内容でした。

2013年3月7日木曜日

Dr. 萩尾 心臓病学定期セミナー 第1回

 昨日夜9時半より、北摂夜間救急動物病院にて行われた宮崎大学・獣医外科学研究室 萩尾 光美先生による〜心エコーを使いこなそう 心エコーのための、これだけは知っておきたい基礎知識〜に参加してまいりました。
 2年前に行われた心エコーセミナーのアップデートで、基礎的な復習から最新の情報まで様々な話題に飛びあっという間の2時間です。今回は特に検査時によく陥りやすいピットフォールについて、また季節柄ちょうどこれからの話題ですが、フィラリア症の症例で新しい所見についても話されていました。
 エコーは病気の存在を見つけるための存在診断に非常に優れた検査である反面、病態(特に重症度)を計るには非常に難しい検査でもあるということを再度確認させられました。

2013年3月1日金曜日

VRCグランドカンファレンス「腫瘍学シリーズ」

 昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われた大阪府立大学との合同カンファレンスに参加してまいりました。
 今回は内分泌腫瘍についてのカンファレンスで前半はVRセンターの田戸先生による甲状腺、副腎、膵臓、卵巣、精巣の腫瘍について診断から治療にかけ、最新の情報を交えながらお話し頂きました。後半は大阪府立大学の秋吉先生により新しい腫瘍マーカーについてお話頂きました。動物の医療では、人でのように一般の臨床で利用できる確立した腫瘍マーカーはありません。その中で犬の褐色細胞種と呼ばれる、非常に診断の下しにくい腫瘍のマーカーとなりそうな、クロモグラニンAと呼ばれる糖蛋白を使った検査についての症例を発表されました。この検査はまだ一般には利用できませんが、2年後をめどに実用化を目指しておられるそうです。
 今回も非常にエキサイティングなカンファレンスでした。

2013年2月26日火曜日

葉月会 国際セミナー 血液凝固系検査の解釈

 昨日夜9時半より、北摂夜間救急動物病院にて行われた葉月会主催の国際セミナーに参加してまいりました。今回でJames Barr先生を講師に迎えた国際セミナーは最後となります。
 血液凝固系は非常に複雑な仕組みでコントロールされおり、固める・溶かすといった相反する反応を同時に無数の場所で行っております。これがコントロール不能となり起こる代表的な疾患がDIC(播種性血管内凝固)です。
 まず前半では基礎的な講義として1次、2次、3次止血の仕組みから一般的な凝固異常を検出する検査法についてお話頂きました。その後後半にはFDP'sと新しい検査法であるD-Dimerの測定について詳しく、最後に現在最も注目されているThromboelastography法についてお話頂きました。この方法で見ると凝固機能がグラフィカルに示され、非常に診断に役立つものです。

2013年2月20日水曜日

志学会 臨時国際セミナー ショックと頭部外傷の管理

 昨日夜9時半より北摂夜間救急動物病院にて行われた、志学会主催の臨時国際セミナーに参加してまいりました。昨日に引き続き、James Barr先生の講演で「ショックと頭部外傷の管理」という救急医療の最たる題材でした。
 まず最初にショックの概念から病態生理、臨床症状、治療といった一連の流れに沿って分かりやすくお話して頂きました。休憩を挟み、外傷性脳損傷の診断と管理という具体的な内容に移りました。外傷性脳損傷で重要なのは、すでに起こってしまっている一次性脳損傷ではなく、我々がコントロールすべき二次性脳損傷だということです。頭蓋内圧の上昇を抑えるために、しかし循環血液量は維持する。また高血糖にならないような管理、グルココルチコイドの禁忌、酸素化、頭部挙上など具体的かつ細かなアドバイスを理論的にお話頂きました。
 昨日同様、白熱し時間をオーバーしたセミナーでしたが、最後はJames Barr先生を囲み記念撮影をし楽しい時間でした。

2013年2月19日火曜日

葉月会 国際セミナー 輸液療法 血液透析および腹膜透析

 昨日夜9時半より北摂夜間救急動物病院にて、葉月会主催の国際セミナーが行われました。このセミナーはテキサス A&M 獣医救急医療学准教授 Dr. James Barr DVM, DACVECCを講師にむかえた3回に、志学会主催の臨時セミナーを加えた全4回も行われます。今回はその第1回目です。
 今回のテーマは「輸液療法 血液透析および腹膜透析」です。最初は輸液、特にショック時における輸液の選択について約1時間講演されました。我々が日頃よく使用する輸液剤は晶質液と呼ばれる電解質を含んだものですが、救急の場で選択されるものとしては、コロイド溶液と呼ばれる血管内のボリュームを維持するための輸液剤です。私達の病院でも使用しているヘタスターチ、凍結乾燥血漿から最近使われ始めているテトラスターチ、ヒトアルブミン製剤や国内では手に入らないイヌアルブミン製剤について様々なお話を聞かせていただきました。休憩をはさみ、血液透析と腹膜透析の臨床的なお話をしていただきました。質疑応答も活発に行われ、予定終了時刻を大幅にオーバーし日をまたいだセミナーとなりました。

2013年2月5日火曜日

カウンセリング


 2月4日(月) 1時よりJAHA認定しつけインストラクターの安国 宣子先生に院内にてカウンセリングを行なっていただきました。
今回は、ちょうど1年前にパピークラスに参加された イングリッシュコッカースパニエルの むぅちゃん です!
 むぅちゃんもあれから1年の間に大きく成長し、賢いわんちゃんになりましたが、どうしても食べ物に対して興味津々で、散歩中に拾い食いをしてしまいそうになるそうです。また退屈すると家具などを齧ってしまい危険なので、どうしたら安全にすごせるかというご相談でした。
 むぅちゃんは基本的には「Off (ちょうだい)!」ができる子ですが、口の中に入ってしまった物までは、その魅力に勝てずに飲み込んでしまう危険があります。まずは絶えずむぅちゃんがお母さんの側(左側)を離れずに歩くトレーニングを行います。

上手について歩けました!!
 ついて歩く練習をする時に注意する事は、ひっぱったら必ず止まり、飼い主さんが主体となってわんちゃんを散歩させる事です。
むぅちゃんは賢いわんちゃんなので短時間のトレーニングでしっかり理解してしまいました!
しかし力の強い大型犬などでは、イージーウォークハーネスやジェントルリーダーを使い練習しましょう。
 もし何かを拾ってしまったとしても、上手に離すことが出来れば少しでも危険をさける事ができます。ひっぱりっこをしながらそれを離させる練習もします。
「ちょうだい!」
「じょうず!」
むぅちゃんはとても齧る事が大好きなので、お留守番の時には必ずコング等噛んでも壊れないおもちゃにフードをつめ、食器の代わりに使用し、又樹脂で出来た丈夫なおもちゃを噛ませて退屈な時間を楽しい物に変えていくようにお伝えされてました。 
 
 最後は安国先生の愛犬トコちゃんともなかよくマットが出来ました!!

2013年1月25日金曜日

VRCグランドカンファレンス 「神経病学シリーズ」

 昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われたVRCカンファレンスに参加してまいりました。
 今回のテーマは“各論からせまる神経疾患”〜頭蓋内疾患編②〜、前回に続き王寺先生の講演でアドバイザーとして秋吉 秀保 先生(大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科 獣医学専攻 高度医療学講座 獣医外科学教室 准教授)が参加されました。
 今回から、特発性の疾患を主題にてんかん、前庭障害、顔面神経麻痺、三叉神経麻痺のお話をしていただきました。
 特発性とは原因不明という意味で、各検査でも原因が認められない病態のことを示します。まずてんかんは、特発性てんかん、症候性てんかん、潜因性てんかんに分けられます。MRIを持たない私たち一次診療施設ではそれらを診断することはできませんが、まずてんかんなのか反応性発作(肝性脳症・低血糖などの代謝性疾患・中毒など基礎疾患の改善により、脳が正常に回復するもの)、失神、心因性非てんかん発作なのかを見極めていく作業を行います。犬種特異性はないと言われていますが、遺伝的素因が疑われるビーグル、レトリバー、シェルティ、バーニーズなどは最初からてんかんを考慮に入れておかなければなりません。てんかんのコントロールには定期的な血液検査による薬の増減や変更を追加を行わなければなりません。
 前庭障害は高齢犬では比較的よく見られる症状です。特徴的な眼振があり診断はさほど難しくはありませんが、それが中枢性なのか抹消性なのかでは大きな違いがあります。
 顔面神経麻痺も治療はなかなか厄介な疾患ですが、甲状腺機能低下症により起こる事もあり、この場合は甲状腺を治療する事により劇的な改善が見られるがあります。
 今回は時間をオーバーしてしまうほど質疑応答があり熱気にあふれたカンファレンスでした。新しい知見も多々あり非常に役立つ講演でした。

2013年1月7日月曜日

臨時休診のお知らせ

 2013年1月12日(土)午後の診療時間は
18:30までとさせていただきます。

 また、1月15日(火)午前の診療は、
勝手ながら休診とさせていただきます
 午後は、通常通り診療いたします

 ご迷惑をおかけしますが、ご了承の程、宜しくお願いいたします。

2013年1月4日金曜日

年末年始の休診日のお知らせ




12月31日(月)午後〜1月4日(金)の期間は、
年末年始の休診とさせていただきます。


※年内は12月31日(月) 午前 診療までとなります。
※年始は1月5日(土)より、通常通り診療致します。

休診中は、何かとご不便をおかけすることと存じますが、何卒ご了承の程、宜しくお願い申し上げます。

また、年末年始の診療は混雑する可能性がございます。
予めお時間に余裕をもって、ご来院ください。

フード、トリーツ等のご注文がございましたら、
誠に勝手ではございますが、12月15日頃までに、
ご連絡いただきますようお願い申し上げます。