2012年2月24日金曜日

VRCグランドカンファレンス ~整形外科学セミナー

昨日9時よりネオベッツ主催で行われた、整形外科シリーズ~骨折治療の基礎知識~に参加して参りました。
今回もネオベッツVRセンター外科部門の戸次 辰郎先生によるカンファレンスです。
前回は創外固定法について様々なお話を聞かせていただきましたが、今回は骨折の基本的な概念、その症例に合わせた固定法の選択など、後半はプレート固定法についての基礎知識と、具体的に症例を挙げ、実際に戸次先生がどのプレート固定法を選択して治療を行ったのかをお話いただきました。
昔は事故に遭う犬猫が多く、骨折症例をよく診ましたが、この10年余りで本当に少なくなりました。ただトイ種が増えたことから、室内での事故による骨折はたまに見られます。一見簡単に治りそうな症例でも様々な要因が治癒を遅らせてしまうことがあります。ちょっとした事で事故は起こってしまいますので皆様も日頃から注意してください。

2012年2月11日土曜日

上部消化管疾患に対する診断と治療

昨日夜9時半より北摂夜間救急動物病院にて行われた、消化管疾患のセミナーに参加してまいりました。講師は以前にも肝疾患のセミナーで講演された宮崎大学の鳥巣 至道先生です。
猫は犬と食道の筋肉の違いから、物が食道に残りやすく食道炎や潰瘍が起りやすい動物です。この事から猫に薬などを飲ませるときには、水分と一緒に飲ませ確実に胃まで送り込む事が重要です。
犬でまれに見られる巨大食道症の予後について、発症年齢が重要な要素であるという興味深いお話もお聞きしました。
また猫は伝染性の呼吸器疾患をよく起こしますが、そのような事から呼吸困難になり、漏斗胸、食道裂孔ヘルニアといった重大な疾患を引き起こしてしまうという発表があります。この興味深い内容には実は続きがあり、元となる呼吸器疾患を治療すると、漏斗胸や食道裂孔ヘルニアも自然治癒してしまったという事です。
この他にも内視鏡による生検のコツや、フィーディングチューブの設置、また鳥巣先生自身も開発にたずさわっているベジタブルサポートの新製品の特徴など、非常に内容の濃い2時間でした。