2012年2月11日土曜日

上部消化管疾患に対する診断と治療

昨日夜9時半より北摂夜間救急動物病院にて行われた、消化管疾患のセミナーに参加してまいりました。講師は以前にも肝疾患のセミナーで講演された宮崎大学の鳥巣 至道先生です。
猫は犬と食道の筋肉の違いから、物が食道に残りやすく食道炎や潰瘍が起りやすい動物です。この事から猫に薬などを飲ませるときには、水分と一緒に飲ませ確実に胃まで送り込む事が重要です。
犬でまれに見られる巨大食道症の予後について、発症年齢が重要な要素であるという興味深いお話もお聞きしました。
また猫は伝染性の呼吸器疾患をよく起こしますが、そのような事から呼吸困難になり、漏斗胸、食道裂孔ヘルニアといった重大な疾患を引き起こしてしまうという発表があります。この興味深い内容には実は続きがあり、元となる呼吸器疾患を治療すると、漏斗胸や食道裂孔ヘルニアも自然治癒してしまったという事です。
この他にも内視鏡による生検のコツや、フィーディングチューブの設置、また鳥巣先生自身も開発にたずさわっているベジタブルサポートの新製品の特徴など、非常に内容の濃い2時間でした。