SF好きならとても楽しめる漫画です。
遺伝子を改変することにより病気を克服しようとしたが、逆に思わぬ問題が生じてしまい世界が人類が分断されてしまう、といった内容をドラマチックにしかし笑いも交えて描かれています。思いがけない結末を迎える最後の5巻に向けて、1巻目から描かれる様々なエピソードが目眩く螺旋のように絡み合いクライマックスへ、しかもスムーズに昇華されていくところが見事です。
この作者の永田礼路先生は、まさに現役外科医で異色の漫画家です。いきなりこの作品で商業紙に新人デビューしましたが、2巻で打ち切りになりました。その後同人誌で5巻完結し2024年第55回星雲賞に参考候補作としてノミネートされました。
本当に現役のお医者さんが描いたのかと驚かされる素晴らしい出来映えです。