2013年3月29日金曜日

VRCグランドカンファレンス 「眼科学シリーズ」

 昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われたVRCグランドカンファレンスに参加してまいりました。今回はVRセンターで眼科を専門とされている小山先生の眼科学シリーズ「緑内障と向き合おう」でした。
 緑内障は犬ではよく見られる眼の病気ですが、多くは病院に来られて診断がついた時にはすでに視力を失っている場合が多い病気です。このことからこの病気を早期に発見できれば迅速に眼圧を下げ視力の温存に努め、残念ながら視力を失ってしまったとしても高眼圧からくる痛みを取るために緑内障の治療を行います。また近年分かってきたこととして緑内障を発症した症例は、いずれ反対側の眼も緑内障を発症するリスクが高いという事です。
 原発性緑内障は好発犬種が分かっております。日本で多い犬種の中ではコッカースパニエル、シーズー、チワワ、プードル、そしてもっとも眼科専門医の中で有名なのが柴犬です。これらの他にも52犬種が報告されておりますので、該当する犬種が眼を痛がるという症状で来られれば眼圧を必ず測定するようにしております。

2013年3月8日金曜日

VRCグランドカンファレンス 「MR(僧帽弁閉鎖不全症)セミナー」

 昨日夜9時より、大阪ペピイ動物看護専門学校セミナー室にて行われた、ネオベッツ主催のグランドカンファレンスに参加してまいりました。今回はベーリンガージャパン共催で日本大学 上地 正実教授による僧帽弁閉鎖不全症についての講演でした。上地先生は体外循環装置を使用した心臓外科では有名な方で、心臓に関してはエキスパートと言われる先生です。
 僧帽弁閉鎖不全症は、犬の心臓病の中では非常にポピュラーな疾患で、症状の程度の差はあれ多くの高齢犬で患う病気です。また好発犬種にも特徴があり、以前はマルチーズが非常に多く見られましたが、現在ではチワワが上位に上がってきております。検査方法も従来行われてきたX線検査、エコーだけでなく血液中のNT-proBNPを計ることによって、呼吸器の問題で発咳しているのか、心臓の問題なのかを見極めることができるようになりました。
 今回はピモペンダンという薬の使用について最新のデータを紹介されながらお話頂き有意義な内容でした。

2013年3月7日木曜日

Dr. 萩尾 心臓病学定期セミナー 第1回

 昨日夜9時半より、北摂夜間救急動物病院にて行われた宮崎大学・獣医外科学研究室 萩尾 光美先生による〜心エコーを使いこなそう 心エコーのための、これだけは知っておきたい基礎知識〜に参加してまいりました。
 2年前に行われた心エコーセミナーのアップデートで、基礎的な復習から最新の情報まで様々な話題に飛びあっという間の2時間です。今回は特に検査時によく陥りやすいピットフォールについて、また季節柄ちょうどこれからの話題ですが、フィラリア症の症例で新しい所見についても話されていました。
 エコーは病気の存在を見つけるための存在診断に非常に優れた検査である反面、病態(特に重症度)を計るには非常に難しい検査でもあるということを再度確認させられました。

2013年3月1日金曜日

VRCグランドカンファレンス「腫瘍学シリーズ」

 昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われた大阪府立大学との合同カンファレンスに参加してまいりました。
 今回は内分泌腫瘍についてのカンファレンスで前半はVRセンターの田戸先生による甲状腺、副腎、膵臓、卵巣、精巣の腫瘍について診断から治療にかけ、最新の情報を交えながらお話し頂きました。後半は大阪府立大学の秋吉先生により新しい腫瘍マーカーについてお話頂きました。動物の医療では、人でのように一般の臨床で利用できる確立した腫瘍マーカーはありません。その中で犬の褐色細胞種と呼ばれる、非常に診断の下しにくい腫瘍のマーカーとなりそうな、クロモグラニンAと呼ばれる糖蛋白を使った検査についての症例を発表されました。この検査はまだ一般には利用できませんが、2年後をめどに実用化を目指しておられるそうです。
 今回も非常にエキサイティングなカンファレンスでした。