2012年8月24日金曜日

VRCグランドカンファレンス 「神経病シリーズ」

 昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われたVRCグランドカンファレンス「神経病シリーズ」 “各論からせまる神経疾患”~頭蓋内疾患編①~に参加してまいりました。今回は脳神経部門 王子 隆先生が講演されました。
 まず最初に頭蓋内疾患の中で奇形性疾患である、水頭症についてお話いただきました。一般的に水頭症の好発犬種としてはチワワなどの短頭種が挙げられますが、実際に手術適応になるような臨床症状が強く出るとは限らず、VRセンターでも手術を行った犬種別トップはミニチュアダックスフントだそうです。
 次に脳腫瘍では、犬種を問わず高齢犬に発生し予後が良好に推移する髄膜種、年齢は問わずフレンチブルドックに好発する予後不良の神経膠種についてお話いただきました。
 最後は炎症性/感染性疾患、特に肉芽種性髄膜脳脊髄炎(GME)と壊死性(白質)脳脊髄炎(NME/NLE)について重点的にお話されました。NME/NLEとは、過去にパグ脳炎と呼ばれていた疾患で現在ではパグ以外にもヨークシャテリア、マルチーズ、チワワ、ペキニーズ、シーズー、ポメラニアン、パピオン、フレンチブルドックで発症し、発症中央年齢 2歳5ヶ月(6ヶ月~7歳)、原因としてDLAClassⅡ(組織適合性抗原)に関連した遺伝性免疫疾患と言われています。治療としてはステロイドや免疫抑制剤などになりますが、生存期間を延長させることを目的とし根治は不可と言われております。その他にもステロイド反応性髄膜炎やフレンチブルドックの化膿性髄膜炎など、時間を忘れてしまうほど内容の濃いカンファレンスでした。

2012年8月23日木曜日

ペットの長く健康な一生をサポートするために

 8月22日(水) 大阪国際会議場にて開催されました、ヒルズ動物看護セミナー「ペットの長く健康な一生をサポートするために」に参加してまいりました。
 日本獣医生命科学大学の呰上大吾先生による「動物看護師が行う臨床検査~基本が大事~」、一般社団法人日本動物看護職協会による「動物看護師の立場からの高齢動物看護」、ヒルズによる「高齢ペットの適切な栄養管理」の3つの講義がありました。

 私たち動物病院に来院されるわんちゃん・ねこちゃんも、最近では高齢の患者さんが増えてきました。
 昔と比べて平均寿命も伸びており、飼い主様と過ごす時間が増えるのはとても嬉しいことだと思います。
 しかし、高齢になれば病気を発症したり、認知症になったり、ゆくゆくは寝たきりになったり・・・若くて元気なときと同じように過ごすことが難しくなることがあります。

 出来るだけ長く健康で過ごしていただけるよう、病気の早期発見のため定期的に検査をしていただくのもひとつだと思います。
 また、動物看護士という立場からわんちゃん・ねこちゃんだけでなく、飼い主様のサポートもさせていただければ、と思っております。
 日頃しているケアについて、どんな食事を選べばいいのか、夜鳴きで困っている、など何かお困りのことがあれば気兼ねなくお話ください。

2012年8月14日火曜日

2012年 8月夏期休暇のお知らせ

2012年8月12日(日)~14日(火)は、
勝手ながら休診とさせていただきます。
8月11日(土)、15日(水)は平常通り午前・午後共に診察いたします。



また、業者の夏期休暇の関係により、フードなどのご注文品をご用意するのにお時間がかかる場合がございます。
予めご注文の予定がございましたら、8月4日(土)までにご連絡頂きますようお願いいたします。

2012年8月10日金曜日

外科学セミナー 下部尿路系の緊急手術

昨日夜9時半より北摂夜間救急動物病院にて行われた、(株)モノリス主催の外科学セミナーに参加してまいりました。
 今回は自身の病院は持たず、依頼を受けると病院に出張し手術を行っていらっしゃる 『手術屋』 こと中島 尚志先生の講演で、テーマは下部尿路系の緊急外科~これができなければ殺してしまう~というものでした。
 下部尿路系とあるとおり、雄猫の会陰尿道廔を重点的に尿路変更術について様々な臨床に即した実践的なお話を聞かせていただきました。
 人の医療では難解な外科手術の場合、その道のエキスパートが来院し、手術チームの中心となり手術を行う場面がありますが、獣医医療の中では二次診療に行っていただく事は多くなってきましたが、まだまだ自身の病院に、麻酔医や外科医に来ていただき手術を行う事は少ないです。ただ以前と比べ獣医医療を取り巻く環境が変化し、昔のように代診時代に外科テクニックを学ぶ機会は減ってきています。今後このような人材がますます獣医医療に必要になってくるのでしょう。