2024年10月7日月曜日

ジャックナイフストレッチ

  娘の幼少期、装具を装着していた一時期があり、甘い親だなと思うのですが長い間何かと抱っこしてしまう癖が自分に付いていました。結果しっかり腰痛持ちになり、突如として何気ない動きで「魔女の一撃」に襲われます。


 それからかれこれ十数年、無事CBTにも合格した娘に送られてくる就活向けの雑誌「ドクターズマガジン」を自分が熱心に読んでいます。その雑誌には毎回特色のあるその道では有名な先生が特集され、獣医の私にも非常に為になる話が書かれています。


そんな中に徳島大学整形外科の西浦浩一先生が紹介されており、その話の中で「ジャックナイフストレッチ」というストレッチ法を腰痛予防にお勧めされていました。


 これがとても良く効きます。


 やり方は私が説明するより上手に書いてある記事を検索してください。


 ハムストリングスを選択的にストレッチするのですが、腰痛だけでなく足がつることもなくなりました。腰痛がある方は是非試してください。

2024年9月30日月曜日

休診日のお知らせ

 誠に勝手ながら、

10月4日(金)~10月6日(日)は

休診とさせていただきます。

お薬・フード・サプリメント等のご注文は、予め余裕をもってご連絡くださいますようお願い致します。

暑い日が続いていましたが、ようやく朝晩過ごしやすくなってきました。

寒暖差が激しい時季ですので、ワンちゃん・ネコちゃんとも、体調を崩しがちです。また、太鼓の音が苦手な場合には、ストレスを感じてしまうこともあります。

  • ワンちゃん・ネコちゃんが静かに過ごせるスペースの確保。
  • お水・トイレを我慢せずに済む工夫。
  • 寒暖を自分で工夫できる環境を整える。

以上のことなどをチェックしてみましょう。

ご自宅でできるストレス対策です。体調の変化がないか、観察することも大切です。


2024年9月17日火曜日

2024年度日本獣医麻酔外科学会 第1回近畿地区講習会

  9月15日に「I-siteなんば」にて開催された日本獣医麻酔外科学会の講習会「準備すれば怖くない!ハイリスク麻酔症例への挑戦〜内分泌・循環器疾患編〜に参加してまいりました。


 内容的には少し専門的な内容でしたが、実際に当院でも遭遇するクッシング、甲状腺機能低下症、糖尿病患者の麻酔時における注意点や、心疾患症例の入念な麻酔計画など参考になる事柄が多くありました。

 またその後の症例検討会では、3症例のうちの1例に交通事故から視床下部症候群を発症した猫が、8年間も内分泌疾患をコントロールしながら生存できていたのに、避けられたかもしれない手術により術後急死したという色々深く考えさせられる内容のものがあり、最後まで良い意味で緊張感が漲っていました。


 朝10時から夕方4時半までの長丁場でしたが、3部構成で緩急優れたセミナーで非常に楽しめました。

2024年8月28日水曜日

SGLT2阻害剤の注意点

  近日、猫の糖尿病に対する動物用SGLT2阻害剤が発売されます。


 飲み薬なのでインスリンを投与するより簡単で、従来あった経口血糖降下薬より効果が期待される薬です。


 しかし人ではSGLT2阻害剤の注意点としてケトアシドーシスを誘発しやすい事が挙げられます。しかも尿中にケトン体が出ず血中ケトン体を測定しなければならないうえ血糖も正常なので、獣医領域ではケトアシドースを見逃す可能性があります。

https://amn.astellas.jp/specialty/diabetes/sgl/suglat_proper/ketoacidosis


 まだ発売前ですので実際に使われた使用感を確認してから検討しますが、高価な薬ですのでどうでしょうか?

2024年7月31日水曜日

螺旋じかけの海

 SF好きならとても楽しめる漫画です。

 遺伝子を改変することにより病気を克服しようとしたが、逆に思わぬ問題が生じてしまい世界が人類が分断されてしまう、といった内容をドラマチックにしかし笑いも交えて描かれています。思いがけない結末を迎える最後の5巻に向けて、1巻目から描かれる様々なエピソードが目眩く螺旋のように絡み合いクライマックスへ、しかもスムーズに昇華されていくところが見事です。


 この作者の永田礼路先生は、まさに現役外科医で異色の漫画家です。いきなりこの作品で商業紙に新人デビューしましたが、2巻で打ち切りになりました。その後同人誌で5巻完結し2024年第55回星雲賞に参考候補作としてノミネートされました。
 本当に現役のお医者さんが描いたのかと驚かされる素晴らしい出来映えです。
 

2024年7月22日月曜日

肺疾患の診断・治療を再考する4時間

 昨日、月一で行われる大阪麻布臨床獣医研究会主催のセミナーに参加してまいりました。


 今回のテーマは「 肺疾患の診断・治療を再考する4時間」と題し、KyoutoAR動物高度医療センターの濱田興先生が講演されました。


 肺疾患は緊急性が高く、しかし診断に迷い的確な治療が遅れるといった難易度の高い疾患だと思います。今回は画像診断、特にGlobal FASTと呼ばれるエコーでの診断について新しい知見を得ました。


 今回はゲスト参加という形で出席させて頂いた会ですが、幅広い年齢層、質問をされる数の多さなど熱量の高い勉強会でした。


 普段話をする事のない先生方と意見を交換するのはとても有意義な時間でした。

2024年7月16日火曜日

夏季休診日のご案内

 

誠に勝手ながら、下記の期間、休診とさせていただきます


8月13日(火)は通常通り、午前・午後とも診療となります。


お薬やフードなどの注文は、

8月7日(水)までにお願い致します。


お取り寄せに時間がかかる場合もございますので、

今一度足りないものがないか、早めの確認をお願い致します。



2024年7月4日木曜日

堺市獣医師会 令和6年度 第1回症例検討会

 昨夜8時半より、ソフィア堺にて行われた令和6年度第1回症例検討会に参加してまいりました。今回は私の症例「多腺性自己免疫症候群(APS)2型を呈した犬の1例」、おおひがし動物病院 大東先生「高ガンマグロブリン血症を呈した脾臓腫瘤の犬の1例」の2題でした。


 自分が発表した症例にも多くの叱咤激励を頂き、勉強になりました。また大東先生の症例も、難しい病気を飼主の方に正しく理解してもらうのはなかなか困難だという事を考えさせられる内容でした。

 今年も始まった症例検討会、楽しみです。

2024年6月20日木曜日

上腸間膜動脈症候群(SMA症候群)

  先日報道で、高校生が名古屋の救急外来で上腸間膜動脈症候群(SMA症候群)を見逃され死亡する痛ましい事故聞き、自分が以前経験した症例を思い出しました。


 その症例というのは2例とも、直前までは元気であり食後、急性の嘔吐、下痢、腹痛と共に極度の脱水を呈しぐったりしていると来院された若いわんちゃんです。


 何か食べたのかもしれないとのお話に、緊急性の高そうな状態で画像診断でははっきりした結論が出せず試験的切開をさせていただきました。







 結果的には、消化管の閉塞はなく異物もなかったのですが、明らかに腸管の血色が悪く扁平化し動きがない状態でした。とにかく全部を確認しながら温めた生理食塩水をかけながら指で優しくマッサージし、血色と動きが戻ってきたところで閉腹しました。

 この時点ではどうなるだろうと心配しながら手術を終えたのですが、その後の回復はびっくりするほど早かったです。
 
 この時の事を今回の事件で思い出し、調べていくと犬の前腸間膜動脈閉塞について書かれた古い文献に当たりました。ここに書かれていた症状が非常に似ていることから、実はこのような事が当時わんちゃんのお腹の中で起こっていたのではないかと考えています。

 2頭ともその後元気になり再発はないのですが、あのようなクリティカルな状況が劇的な回復を見せた事が印象的でした。


2024年6月15日土曜日

レコード!

  昨今のレコードブームに乗り、久しぶり円盤に針を落としてみたくなりました。


 とはいえ立派なオーディオなど持っていないので、狭い部屋でコンパクトに聴けるシステムを考えました。


 色々調べた結果、そこそこ安価でしかしプロの耳も納得させたという機材を購入しました。プレーヤーのオーディオテクニカAT-LP120XBT-USBに、直接アクティブスピーカ(アンプ内蔵タイプ)TANNOY  REVEAL 402という小さなニアフィールドモニタースピーカーを繋ぐ非常にシンプルなシステムです。


 中高生の頃、小遣いで購入し、しかしもったいなくてほとんど針を落としていないレコードを40年ぶりに聴いてみると、驚くほど良い音が飛び出してきました。


 当時団地住まいのうちの家には本格的なシステムコンポなどなく、買ったレコードはオーディオマニアの先輩に頼んでカセットテープに落としてもらいラジカセで聴いていました。当時としてはかなり良い録音をしてもらったのでしょうが、それでもこんなにそれぞれの音がしっかり聞こえてくるとは思ってもいませんでした。


 当時デジタル全盛期でレコードからCDに音楽業界が遷移して行った時代(坂本龍一が所蔵レコードを廃棄したエピソードは当時話題になりました)で、当然カセットに落としたレコードの音よりCDの方がクリアな音がしました。誤解したままCDの簡便さに慣れてしまい、今ではデータで聴いてしまう有様でしたが、今更ながらブームに感謝です。


こんな感じで父が使っていた机タンスの上に乗ります。


 高校生の頃よく聴いていた「PINK」のLP、今聴いてもすごいバンドです。高2のスキー講習のバスの中で孤独に聴いていたのをまざまざと思い出します。当時は文学、音楽ばかりで勉強しなかったですが、この経験が人生には必要だと思います。受験というシステムがある以上、うまくそれに合わせなければ苦労します。自分はとても苦労しましたが1つだけ良かったと思うのは、泉北高校という本当に普通の高校で普通の青春を経験させてもらえた事です。素晴らしい人との出会いは、偏差値では叶えません。