8月27日(土)午後9時半より、北摂夜間救急動物病院にて行われた、酪農学園大学教授 廉澤 剛先生よる腫瘍学セミナーに参加してまいりました。
犬の甲状腺疾患として臨床的には機能低下症に多く遭遇しますが、その中に甲状腺腫瘍からくる機能低下症があります。甲状腺腫瘍はそのほとんどが悪性ですが、他の悪性腫瘍と異なり肺転移が起こった症例でも生活の質が落ちにくく、血管浸潤が起こるわりにはリンパ節転移が起こりにくいという特徴があるそうです。治療としては外科的に甲状腺がんを切除することが第一選択ですが、あまりにも大きくなった両側性のものでは放射線療法が選択されます。
好発犬種としては中高年のビーグル、ゴールデンレトリバーで頸部の腫れが感じられた場合は精査する必要があります。
その他にも甲状腺に付属する器官である、上皮小体の腫瘍についてもお話いただきました。
甲状腺腫瘍は犬の全腫瘍の中で約1%の発生率ですので、あまり遭遇するものではありませんが、特定の犬種に関しては注意する必要があります。