7月27日(水) 夜9時半より北摂夜間救急動物病院にて行われた、ファーブル動物病院眼科 山下 真先生による眼科セミナーに、ツルノ獣医科病院 副院長 鶴野 佳洋先生の御厚意で参加してまいりました。
今回は白内障について約2時間お話いただきました。人では白内障の原因として、加齢性、糖尿病性、外傷、紫外線、アトピー、薬物(ステロイド)などが挙げられるのですが、犬では遺伝性がまず多く、その次に加齢性、糖尿病などの全身疾患によるもの、外傷性となります。猫ではまず発生することが稀であり、あったとしてもほとんどが外傷などからおこる続発性白内障です。
診断は水晶体を精査する事なのですが、白内障が起きている70%の症例で、水晶体蛋白誘発性ブドウ膜炎が同時に発生しているという報告があり、なるべく早期の手術が望まれます。
治療としては、麻酔下で白濁した水晶体を超音波で乳化し吸引、人工レンズ挿入し角膜を縫合するという人と大体同じ方法なのですが、概して人とくらべ難易度は高い手術となります。
その他にも緑内障の新しい治療法として、内視鏡+レーザーによる直接ピンポイントで毛様体凝固を行う方法など最新のトピックスもお話いただきました。
現在、眼科に限った話ではないのですが専門的な診断や治療を必要とする病気に遭遇する機会が以前より増えてきたと思います。当院ではなるべく早く治療に入れるように診断に迷いが生じた時には専門医を御紹介させていただいております。早期の診断で病気が重症化するのを防げた経験をまた次の診療に生かせていけるよう頑張ってまいります。