2012年10月18日木曜日

グラム染色から考える古くて新しい抗生剤の考え方

 昨日夜9時より、北摂夜間救急動物病院にてモノリス主催で行われた学術セミナーに参加してまいりました。
 今回は宮崎大学農学部付属病院 准教授 鳥巣至道先生による抗生剤についての講義でした。
 日々の診療の中で、抗生剤を使用する機会は非常に多いですが、なかなか原因菌を特定し感受性テストをしてから投薬することは出来ません。この理由は菌を培養し、抗菌剤の感受性を見るのに数日~1週間以上かかってしまうため、現場では待っていられない為です。しかし菌の種類をその場でだいたいでも見分けることで、間違った抗生剤を出してしまうリスクは避けられます。菌を染色し形態や染色性を見ることによって出来るだけ正しい診断を下せるようにしていかなければなりません。
 その他に現在でも多く行われている、怪我をしたときのイソジンなどでの消毒に対して、実際にはまったく効果がないばかりか、逆に傷の治りを妨げるといった事も、鳥巣先生の経験談を交えてお話いただきました。
 これからの診療に即戦力のある講義でした。