昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われたVRCグランドカンファレンスに参加してまいりました。
今回のテーマは「腫瘍学シリーズ~鼻腔内腫瘍」で、まず最初にVRセンターの田戸先生による診断について、次に大阪府立大学の秋吉先生により実際の放射線治療についてお話いただきました。
鼻腔内に発生する腫瘍は、犬、猫共に全腫瘍の約1%と少ないものではありますが犬ではその8割、猫で9割までが悪性腫瘍です。
診断は、細胞を採取し病理検査を行う事と、CTでどの範囲まで浸潤しているか診ることが重要です。
鑑別診断としては感染性鼻炎(細菌、真菌)、アレルギー性鼻炎、異物、歯牙疾患、止血異常があります。
犬では治療の第1選択は、放射線治療となります。この治療は行える施設が限られてくるのですが、幸いこの近辺では大阪府立大学が最新の機器を持っています。
猫ではリンパ腫の場合は抗癌剤治療が第1選択ですが、それ以外の上皮系腫瘍の場合は放射線治療となります。過去に当院でも、猫ちゃんの鼻腔内リンパ腫を発症した方がいらっしゃいましたが幸いにも抗癌剤によく反応し、腫瘍は完全に消失し他の疾患で亡くなるまでリンパ腫は再発しませんでした。
鼻腔内腫瘍は早期発見が難しいため、病気が進行した段階で発見されることが多いです。もしくしゃみをしたり、またその時鼻水などに血が混じっているようであれば、早めに病院を受診される事をお勧めいたします。