2012年12月28日金曜日

VRCグランドカンファレンス「整形外科シリーズ」

 昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われたVRCカンファレンス「整形外科シリーズ〜橈尺骨骨折治療の第一歩(アプローチ)〜」に参加してまいりました。今回も整形担当の戸次 辰朗先生による講演です。
 小型犬の骨折の中でも代表的な橈尺骨骨折ですが、よくある治癒不全として骨癒合不全があげられます。これは骨折端がうまく癒合してくれず、最悪のケースでは骨が溶けてなくなってしまう状態にまでなってしまいます。原因として、骨折端に異物・感染がある、生体側の免疫異常、インプラントの強度不足・過剰などがあげられます。避けられない原因もあるのですが、手術の手技により回避できるものも多くあります。
 今回のカンファレンスではプレート法を用いた整復をベースに、しかしすべての基本であるアプローチ(体位、切皮部位、切開していく順序)をお話いただきました。非常にベーシックな話であり、かつ誰も教えてくれない重要なポイントを丁寧にお話頂きました。
 当院では基本的に橈尺骨骨折には創外固定法を行うのですが、VRセンターではプレーティングと創外固定法とバンテージを組み合わせ骨折端にかける負荷を調整しながら治療していく方法で良い成績をあげているとお話しされていました。
 ただ最も重要なのは、骨折させないように飼主の皆様が気をつけていただく事でしょう。

2012年11月23日金曜日

VRCグランドカンファレンス [軟部外科シリーズ]

 昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われたVRCグランドカンファレンスに参加してまいりました。
 今回のテーマは「胃疾患のはなし」と題し、VRセンターの進 学之先生が胃の解剖学から胃の外科までお話いただきました。
 基本的にまずいきなり外科を選択するのではなく、どうしても外科でしか対応できない疾患であることを徹底的に検討し行う姿勢に徹する姿勢が印象的でした。
 血液ガスの重要性、胃切開縫合術のポイント、幽門形成術、幽門側胃切除術(特に獣医領域で行われるBillroth Ⅰ法)での胃の露出法のテクニックなど2時間が短く感じられる内容でした。また最後に進先生が実際に経験された、非常に診断が難しかった症例についてお話しされ非常に勉強になりました。

2012年10月30日火曜日

臨床腫瘍学

 昨日夜9時よりJBVP主催にて行われた、大阪レクチャーシリーズ「臨床腫瘍学4」に参加してまいりました。
 今回のテーマは治療学総論で、四国動物医療センター 入江充洋先生が最近参加されたロスやフランスでの腫瘍学会での最新の知見も織り交ぜながらお話いただきました。
 まずお話されたのは、RECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)という新しい治療効果判定についてで、これは従来使われてきたWHOの基準の問題点を克服するよう考案された新しい基準です。人医の世界では約10年ほど前より徐々に取り入れらてきたものですが、獣医医療の中ではまだまだ一般的ではありません。
 その他にも、緩和治療における低用量抗がん剤投与や、鎮痛剤のワイドアップ効果目的でのケタミン使用、抗癌剤治療中のDICや敗血症、抗癌剤の取り扱いなど、様々な臨床に役立つ情報をお話いただきました。

2012年10月24日水曜日

もっとお水を… ちゃんと潤っていますか?

待合いにお水の飲ませ方に関するポスターを新しく掲示しました!
 朝晩が急に冷え込むようになってきましたね、この季節になるとわんちゃん、ねこちゃんが夏場のようには、水を飲まなくなります。この結果、健康な子でも尿路結石が形成されたり、高齢で腎機能が低下している症例では腎不全を発症したりします。ではどのように予防すればよいのでしょうか?

ご来院の際に、是非ご覧ください。


2012年10月18日木曜日

グラム染色から考える古くて新しい抗生剤の考え方

 昨日夜9時より、北摂夜間救急動物病院にてモノリス主催で行われた学術セミナーに参加してまいりました。
 今回は宮崎大学農学部付属病院 准教授 鳥巣至道先生による抗生剤についての講義でした。
 日々の診療の中で、抗生剤を使用する機会は非常に多いですが、なかなか原因菌を特定し感受性テストをしてから投薬することは出来ません。この理由は菌を培養し、抗菌剤の感受性を見るのに数日~1週間以上かかってしまうため、現場では待っていられない為です。しかし菌の種類をその場でだいたいでも見分けることで、間違った抗生剤を出してしまうリスクは避けられます。菌を染色し形態や染色性を見ることによって出来るだけ正しい診断を下せるようにしていかなければなりません。
 その他に現在でも多く行われている、怪我をしたときのイソジンなどでの消毒に対して、実際にはまったく効果がないばかりか、逆に傷の治りを妨げるといった事も、鳥巣先生の経験談を交えてお話いただきました。
 これからの診療に即戦力のある講義でした。

2012年10月8日月曜日

臨時休診のお知らせ


誠に勝手ながら、10月5日(金)午後~6日(土)は
だんじり祭のため休診とさせていただきます。
なお、10月7日(日)・8日(月)は日曜・祝日にあたりますので休診とさせていただいております。

10月5日(金)の午前中は、平常通り診察致しますが混雑する恐れがございます。
予めお時間に余裕をもってご来院ください。
また、だんじり祭の関係で当院周辺の道路にて交通規制がかかる可能性がございますので、ご来院・ご帰宅の際には十分ご注意ください。

ごはんやお薬のご注文は、お早めにご連絡くださいますようお願いいたします。

2012年9月29日土曜日

お知らせ

 本日を持ちまして、看護士の東福が退職致しました。約9年半の間、皆様に本当によくしていただき有難うございました。彼女はこれから新しい家族と共に、幸せな家庭を築くはずです。
 しばらくの間は人手が足りず、皆様にご迷惑をおかけするかもしれませんが、精一杯頑張っていきますので宜しくお願い致します。

2012年9月28日金曜日

VRCグランドカンファレンス「腫瘍学シリーズ」

 昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われたVRCグランドカンファレンスに参加してまいりました。
 今回のテーマは「腫瘍学シリーズ~鼻腔内腫瘍」で、まず最初にVRセンターの田戸先生による診断について、次に大阪府立大学の秋吉先生により実際の放射線治療についてお話いただきました。
 鼻腔内に発生する腫瘍は、犬、猫共に全腫瘍の約1%と少ないものではありますが犬ではその8割、猫で9割までが悪性腫瘍です。
 診断は、細胞を採取し病理検査を行う事と、CTでどの範囲まで浸潤しているか診ることが重要です。
 鑑別診断としては感染性鼻炎(細菌、真菌)、アレルギー性鼻炎、異物、歯牙疾患、止血異常があります。
 犬では治療の第1選択は、放射線治療となります。この治療は行える施設が限られてくるのですが、幸いこの近辺では大阪府立大学が最新の機器を持っています。
 猫ではリンパ腫の場合は抗癌剤治療が第1選択ですが、それ以外の上皮系腫瘍の場合は放射線治療となります。過去に当院でも、猫ちゃんの鼻腔内リンパ腫を発症した方がいらっしゃいましたが幸いにも抗癌剤によく反応し、腫瘍は完全に消失し他の疾患で亡くなるまでリンパ腫は再発しませんでした。
 鼻腔内腫瘍は早期発見が難しいため、病気が進行した段階で発見されることが多いです。もしくしゃみをしたり、またその時鼻水などに血が混じっているようであれば、早めに病院を受診される事をお勧めいたします。 

2012年9月13日木曜日

犬と猫の血液異常への新しいアプローチ

 昨日夜9時より、IDEXX主催で行われた血液学セミナーに、ツルノ獣医科病院の副院長 鶴野佳洋先生と共に参加して参りました。
 今回のセミナーは東京大学獣医内科学助教授、同付属動物医療センター内科系診療科教員でもある藤野 泰人先生が講師として招かれ、血液検査(CBC)について基礎的な事柄を中心に、実際の症例も交えて講演されました。
 非常に基礎的な事ですが、日常の診療の中で、見落としがちになるポイントなどを再確認させられる内容でした。

2012年9月1日土曜日

肥満細胞種の最新情報&前立腺腫瘍そして移行上皮癌を知る!

 昨日夜9時半より、北摂夜間救急動物病院にて行われた、葉月会主催セミナーにツルノ獣医科病院 副院長 鶴野 佳洋先生の御厚意で参加してまいりました。
 今回は病理診断を行う検査センター、ノース・ラボ代表 賀川 由美子先生による病理医サイドから見た肥満細胞種、前立腺癌、移行上皮癌について、最新のトピックスを交えてお話いただきました。講師の賀川先生は酪農学園大学を卒業後、アメリカの獣医科大学にて日本人としては2人目となる難関のアメリカ獣医病理専門医の資格を最短で習得されました。
 最初にお話されたのは猫の肥満細胞種についてで、これは犬ではパグで発生する肥満細胞種によく似た動きをするのですが、最近の情報では今まで考えられていたサージカルマージンを考え直す方向に動いているそうです。そのお話から、現在よくグレード分けに使われているPatnaikの分類について、病理医間のグレード評価がまちまちな事実を病理医サイドの立場で説明され、2011年アメリカ獣医病理専門医による統一した分かりやすいグレード分類をお話いただきました。ただこの分類も日本によく飼育されている犬種ではあまりにも漠然としている為、現在、日本の病理診断医が集まり、日本に適した診断基準を模索しておられるそうです。
 次の話題としては前立腺癌と移行上皮癌について、現在よく行われる尿道マッサージによる細胞採取法のコツや、診断の難しさをお話いただきました。
 普段は聞けない病理医の本音を聞かせていただいたりと、非常に有益な時間でした。