2014年9月18日木曜日

犬の子宮水腫

 昨日手術を行った症例は、犬では比較的稀な「子宮水腫」という病気でした。一般的によく遭遇する子宮蓄膿症は、子宮の中に大腸菌などを感染源とした膿が溜まることにより、発病します。しかしこの子宮水腫は膿ではなく、ほぼ透明な漿液が溜まっているだけで、お腹が大きく腫れてくるまで特に症状を出しません。この症例も術前検査で白血球やBUN、Creなど子宮蓄膿症では上昇する値はすべて正常でした、しかし陰部の腫大や、発情行動と思われる動きをしていたことから、性ホルモンの影響を受けていたと思われます。現時点で症状はなくても、正常な子宮ではないので、外科的に摘出する事が勧められます。
開腹時の子宮
摘出した卵巣と子宮