2024年4月3日水曜日

多腺性自己免疫症候群 (APS)2 型の犬

  先日、他院から転院されてきたわんちゃんは非常に稀少な病気でした。


 前院で、糖尿病と診断されインスリン 投与を始めたが、なかなか改善せずグッタリしていると紹介を受けました。


 院内の検査で、糖尿病だけでなく1次性甲状腺機能低下症、副腎機能低下症を併発している事が判り、人の多腺性自己免疫症候群 (APS)2 型によく似ている病態でした。


 多腺性自己免疫症候群 (APS)とは人医でも近年報告がされてきた稀な病態ですが、現在4タイプに分類されています。この中でアジソン、1型糖尿病、自己免疫性甲状腺疾患を発症するのがAPS2型です。


 早速このわんちゃんに、インスリン 製剤変更、甲状腺製剤、フロリネフ錠を処方したところ数日後とても元気になられ来院されました。


 まだまだ予断を許さない状況ですが病態は把握し方向性が確立できたのでほっとしています。