2014年10月21日火曜日

実際の症例から考える眼科学〜水晶体疾患PART2〜

 昨日夜9時半より、北摂夜間救急動物病院にて行われた眼科学セミナーに、鶴野先生の御厚意で参加してまいりました。
 今回は、白内障について症例を交えながら2時間、アメリカ獣医専門医としての知識を存分にお話いただきました。日本ではよく使用される白内障点眼薬については、アメリカでは選択されることはなく、まず非ステロイド系点眼薬を使用するそうです。これは白内障になった水晶体から漏れ出てくる物質により、眼球に炎症が起こるのを抑えるためです。
 また新しい論文に、水晶体前方脱臼に手術ではなく、直接角膜の上から押して整復する方法が報告されています。この方法でも約5割の症例で再発なく、視覚を維持できたそうです。辻田先生もこの方法を実地し、よい結果が得られたそうです。ただあくまでも手術の方が優れた治療であり、またこの方法にもちゃんと手順をふんで行わなければ成功しません。
 今回も非常に興味深い講義でした。