AI繋がりで…
この作品も40年前に初めて読んで以来大好きで、何度も読み返しています。
1960年代に書かれた作品ですが、今のネット社会、特にビックデータから人の行動を見張り支配するAI社会を予見した内容です。
トランプ大統領就任時流行ったジョージ・オーウェルの「1984」のようなディストピア小説なのかと思いきや、最後に老人が語る最終章ではコンピューターに支配されるユートピアである未来が描かれています。星新一氏は他にもショートショート作品でB.C(ビフォーコンピューター)A.C(アフターコンピューター)時代をユートピアとして描いており、この辺りがよくあるSFと一線を画す作家だと感じます。
「文明が戦争を生むのではない、戦争によって文明が作られたのだ」
この言葉も大好きな「オネアミスの翼」の一節ですが、使う人間の知性により未来は変わるものだと強く思います。