2015年10月26日月曜日

猫の診療 集中講座

 昨日昼12時より、ゾエティス・ジャパン主催の猫学セミナー「猫の診療 集中講座」に参加してまいりました。6人の講師が、それぞれ専門とする内容を約1時間ずつ、講義されます。
 まず1コマ目に大阪府立大学の鳩谷先生が、抗菌剤のリスクについてお話しされた事に、あまりにも動物病院で安易に抗菌剤を多用するということがありました。当院では、耐性菌の問題を20年前から考え、抗菌剤の使用には慎重な姿勢で行っております。これは、私が研修医としてお世話になっていた病院で、当時人で問題になっていたMRSAが発生した事がきっかけです。私の担当の症例ではなかったのですが、当時最高と言われたバンコマイシンにも効かない菌が発生し、公衆衛生上、安楽死が選択されました。この時は慚愧に堪えない気持ちで病院中が落ち込んだ事をよく覚えております。臨床はケースバイケースではありますが、安易な選択は後悔しか残りません。
 その他でもスコティシュフォールドの遺伝病、猫に優しい病院とは、猫の嘔吐の原因など色々と参考になる内容でした。
 最後に講義の中で猫の感染症をお話しされていた時に、気になる文言があったので一言。当院では必ず診察中はグローブを着用し、診療毎に廃棄するようにしております。
これは、自分達の手が感染源にならない為に他なりません。病院には色々な状態の症例が来られます。元気な子ではなんでもない感染症でも、抗癌剤や免疫抑制剤により、免疫の落ちている個体では、その子達に病気を感染させてしまうリスクあります。もちろん直接、薬を触れる調剤の時も着用しております。