昨日夜9時半より北摂夜間救急動物病院にて行われた、(株)ケーナインラボ主催のセミナーにスタッフ全員で参加して参りました。セミナー自体は日本獣医生命科学大学 獣医臨床病理学教室講師 盆子原誠先生の大学病院における実際の診療に基づいたもので大変興味深い内容でした。
従来獣医医療で行われてきた形態学的な癌診断に、遺伝子検査・表面抗原検査を加える事で、より的確な診断を下すことができ、その結果、より効果が高く副作用の少ない治療ができると思われます。
遺伝子検査では必要なサンプル量も少なく、極端な話ですが過去に作製したスライド標本からでも検査が可能だそうです。
現在人の医療では、当たり前になってきているコンピューターデザインされた分子標的薬ですが、獣医医療の世界でも少しずつ浸透しつつあります。効果が確認されているものでは、従来の抗癌剤とは比較にならないぐらい副作用が少なく、かつ効果は劇的です。
ただ、まだまだ犬猫では治験が行われていないので、人用として販売されている極一部の薬においてしか効果が確認されていないという事、そして検査にしてもこの薬にしても、新しいものなので非常に高価になるという点が実際の現場ではネックになるでしょう。人と同様の公的保険があれば、もっと犬猫の医療は発展するでしょうが残念です。