2010年1月22日金曜日

犬猫の膵炎2

昨日夜9時半より北摂夜間救急動物病院のセミナー室にて行われた平田雅彦先生による犬猫の膵炎~診断と治療に参加してまいりました。
 平田先生もこのセミナーの冒頭で話されていましたが、現在の獣医医療の中では重度の急性膵炎を早期に発見し治療する事は不可能です。救命率は10%以下でほとんどの場合が確定診断もつける間も無く亡くなっていく病気です。人医の領域ではきっちりとした診断基準があり検査方法も確立していますが、それでもなお救命できない事がある病気です。犬猫ではさらに言葉を話さない、麻酔下でなければCTが使えない、利用できない血液検査項目がある、緊急の輸血体制が整っていない、人と同等の高度救命体制を整える事は不可能など、聞けば聞くほど悲しい獣医医療の現実を感じます。ただこれは日本に限った事でもなく、世界的にも確立された基準がある訳でもないですので時が経つのをしばらく待たなければならないのでしょう。
 今私達ができる事はこのような病気もあるという事を多くの飼主の方に知っていただき、犬猫と共に暮らす上である程度の心構えをしていただくという事かもしれません。
 分からない事であるという事が分かりましたという内容のセミナーでした。