2025年3月3日月曜日

シンプルに考える粘液腫様変性性僧帽弁疾患

 昨日午後1時より大阪麻布臨床獣医研究会主宰で行われた循環器勉強会に参加してまいりました。


 犬では、僧帽弁疾患は非常にポピュラーな疾患ではありますが、私が大学を卒業した頃から何度もステージングが改定され、新しい概念について行くのが大変でした。


 今回のセミナーで、現在、従来 MR (僧帽弁逆流症)と呼んでいたものをより明確に、MMVD (粘液腫様変性性僧帽弁疾患)と呼び、論理的に病態から診断、治療に繋げていく考え方を学びました。


 犬においては大部分 (70%) の心疾患はMMVDであり、その原因は遺伝的要因がほとんどを占めています。ある意味何をしようと生まれながらにMMVDになることを運命づけられているという事になります。


 では、どうすれば?と悲観的になってしまいますが、なってしまうものは受け入れるしかないので、正しく発見し、重症度を見極めながら治療していくことが重要です。幸い昔に比べ比較にならないぐらい薬が良くなっています。


 重要な事を一つ、現在、歯周病はこの病気とは全く関連がないことが専門家の見解だそうです。知識のアップデートは重要だと再度確認しました。