今回は獣医学とは関係ない話題ですが、私の好きな小松左京氏の資料が展示されているということなので、お昼の時間に暇をもらい大阪芸術大学に行ってきました。
なかなか暑かったですが、大阪芸術大学のキャンパスは大変良い建築で、芸術系大学らしい雰囲気の中をそれらしい学生が闊歩する居心地の良い大学でした。
http://nakadeah.blogspot.com/
今回は獣医学とは関係ない話題ですが、私の好きな小松左京氏の資料が展示されているということなので、お昼の時間に暇をもらい大阪芸術大学に行ってきました。
なかなか暑かったですが、大阪芸術大学のキャンパスは大変良い建築で、芸術系大学らしい雰囲気の中をそれらしい学生が闊歩する居心地の良い大学でした。
昨日、午後1時より行われた大阪麻布臨床獣医研究会に参加してまいりました。今回は酪農学園大学 伴侶動物内科講師 田村 昌大先生による「一次診療で役に立つアドバンスエコー診断 〜門脈体循環シャントを中心に〜」です。
今回のセミナーはかなりアドバンスコースな講義でしたが動画に交え、白板にわかりやすくイラストを描いて頂き、今まで少し理解不足だった事柄をしっかり整理させて頂きました。
また後天性シャントでの肝性脳症を診断するときに、問診の取り方次第で見逃しを防ぐことができるので、これからはしっかりとポイントを押さえ行って行こうと思います。
1.コロナワクチンは必要か?
2.ワクチン同時接種の是非は?
まずコロナと言っても人のではなく、犬のしかも腸コロナについてです。(犬にも人と同じような伝染力の強い呼吸器に症状が出るコロナはありますが予防はできません)
犬腸コロナ感染症については1971年に初めて確認され、1980年初頭にはワクチンが開発されましたが900頭以上の副作用が報告され、そのうち300頭以上が死亡しました。
その後、私が藤井寺動物病院で研修を始めた1998年頃にコロナを含む新しい混合ワクチンが発売されました。
当時、是枝先生が1980年頃にコロナワクチンで多くの副作用を経験された事を語ってくれ、このワクチンに対する警戒心を抱きました。
そのすぐ後2004年、JAHA国際セミナー、コロラド州立大学教授 Dr. Michael Lappinによる感染症学セミナーにて、イヌコロナウイルスはパルボウイルスの免疫を獲得していれば同時に予防できるという話を聞き、腸コロナ感染症を予防するには従来のパルボ予防のみで大丈夫だと確信しました。
当院では以上のことからコロナワクチンを含む混合ワクチンは特殊な事情(ワクチンの欠品など)以外では意味がないので使用しません。呼吸器病コロナについては予防法はありませんので不特定多数の犬が集まる怪しい場所を避けてくださいとしか言えません、ただし基本的には対症療法で治癒します。
この他の抗原により予防する交叉免疫の概念は、猫のFIPにも関係があり古くは1990年代初頭アメリカで猫白血病ワクチンの使用が始まると、今まで多発していたブリーディング施設でのFIPの発生率が激減したそうです。また2015年にトルコで発表された論文にもこのワクチンでFIPの発生率を下げたとの報告があります。
このような事から、当院では複数頭飼育の家庭ではFIPのリスクを下げるため白血病ワクチンを積極的にお勧めします。
もちろんFIPを発症した症例にはモルヌピラビルによる積極的介入で寛解を目指します。
2番目に、ワクチンの同時接種の是非ですが基本的な免疫の話からすれば、当然問題ありません。厚生労働省の公式見解により、人では幼児や医療従事者など効率的に免疫をつけさせるために同時接種が推奨されています。
ではなぜダメであるという話があるかと言えばこれはもし副作用が出たときにどのメーカーに責任があるかということを明確化するためだけの目的です。
長文になりましたが、表面上の話で病気を語り、本質的な病態を捉えていないと病気がなぜ発生するのか、ではどの様な治療方針を立てて病気と向き合っていくかができません。
あなたの家族を健康で幸せにするにはどうしますか?