昨日、朝10時より行われた、日本獣医生命科学大学 獣医内科学 講師 水谷 尚先生による「高脂血症」についてのセミナーに参加してまいりました。
いままで犬においては、高脂血症によって動脈硬化は起こらないというのが通説になっておりましたが、人に較べれて少ないとはいえ、ある条件さえ整えば発生することが判ってきました。また最近、当院でも治療する機会の増えた甲状腺機能低下症の症例では、アテノローム性動脈硬化が起こるというデータもあるそうです。
糖尿病、甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症といった基礎疾患をもたない原発性高脂血症は、ミニチュアシュナウザー、シーズー、シェルティーなどの犬種に発生し、多くが先天性疾患です。
基礎疾患のない高脂血症だということが判った場合は、リポ蛋白質プロファイルを行い、その高脂血症のタイプにより治療法を決定していきます。
現在使われている薬はスタチン系、フィブラート系に大きく分けられますが、そのタイプにより食事療法、EPA、ビタミンなども使い治療していきます。
今回のセミナーは獣医師として、「目からウロコ」といった衝撃を受けました。人の医療では耳にたこができるほど言われているメタボリックシンドロームが、これから先獣医領域でも当り前のように言われる時代になるのかもしれません。
2011年2月28日月曜日
2011年2月25日金曜日
VRCグランドカンファレンス ~整形外科学セミナー
昨日夜9時よりネオベッツ主催で行われた、戸次辰郎先生による「ピンニングと創外固定法の基礎」のカンファレンスに参加してまいりました。
今回は基本的な事柄から、ちょっとしたコツといったものまで、貴重なアドバイス豊富な内容でした。
クロスピンに関しては挿入の順番の重要性、また大腿骨遠位端骨折でのピンの設置位置など多くの症例をこなされてきた戸次先生ならではの意見を聞かせていただきました。
創外固定法については、整形外科が少ない本院でも比較的多く行う方法なのですが、正確な位置決めなどでは、やはりCアームでの透視下で確認を行うほうが確実なようです。高度な技術には高価な器材が必要なのだとあらためて感じさせられます。
骨折の整復は一筋縄ではいかない事が多いとよく感じますが、いかに基本に忠実に、かつ、生体のメカニズムに沿った治療を進めるかが、早い治癒に繋がるという事を再確認させていただきました。
今回は基本的な事柄から、ちょっとしたコツといったものまで、貴重なアドバイス豊富な内容でした。
クロスピンに関しては挿入の順番の重要性、また大腿骨遠位端骨折でのピンの設置位置など多くの症例をこなされてきた戸次先生ならではの意見を聞かせていただきました。
創外固定法については、整形外科が少ない本院でも比較的多く行う方法なのですが、正確な位置決めなどでは、やはりCアームでの透視下で確認を行うほうが確実なようです。高度な技術には高価な器材が必要なのだとあらためて感じさせられます。
骨折の整復は一筋縄ではいかない事が多いとよく感じますが、いかに基本に忠実に、かつ、生体のメカニズムに沿った治療を進めるかが、早い治癒に繋がるという事を再確認させていただきました。
2011年2月3日木曜日
ホームドクターのための慢性腎不全の診断と治療
昨日夜9時半より北摂夜間救急動物病院にて行われたモノリス主催のセミナーにスタッフ全員で参加してまいりました。今回はクワハラ動物病院 院長 桑原康人先生に慢性腎不全の診断と治療というテーマでお話を聞かせていただきました。
慢性腎不全になる原因の中にペルシャの多発性嚢胞腎、アビシニアンのアミロイドーシス、アメリカンショートヘアーの腎異型性、バセンジーのFanconi症候群など種に特異的な疾患がありますので注意して診断を進めなければなりません。
しかし上記のような原因は慢性腎不全の中でも少数派であり感染性、腫瘍性など原因が特定できるもの以外のものの方が多いのが現状です。ただし原因が特定できない慢性腎不全の治療に違いはないため速やかに治療を進めていく事となります。
治療の評価としてはCRE、BUN、リン、PCV、UPC(尿蛋白/クレアチニン比)が重要な予後因子であり、また治療においては自宅での補液療法、ACE阻害薬の有用性、貧血時におけるエリスロポエチンの重要性などをお話していただきました。
近年、動物の高齢化が進んでいく中、慢性腎不全は特に日常的に見られる病気です。お家のわんちゃんやねこちゃんを見て、すこしでも痩せてきた様子があれば、できるだけ早めに病院に連れて行ってあげてください。
慢性腎不全になる原因の中にペルシャの多発性嚢胞腎、アビシニアンのアミロイドーシス、アメリカンショートヘアーの腎異型性、バセンジーのFanconi症候群など種に特異的な疾患がありますので注意して診断を進めなければなりません。
しかし上記のような原因は慢性腎不全の中でも少数派であり感染性、腫瘍性など原因が特定できるもの以外のものの方が多いのが現状です。ただし原因が特定できない慢性腎不全の治療に違いはないため速やかに治療を進めていく事となります。
治療の評価としてはCRE、BUN、リン、PCV、UPC(尿蛋白/クレアチニン比)が重要な予後因子であり、また治療においては自宅での補液療法、ACE阻害薬の有用性、貧血時におけるエリスロポエチンの重要性などをお話していただきました。
近年、動物の高齢化が進んでいく中、慢性腎不全は特に日常的に見られる病気です。お家のわんちゃんやねこちゃんを見て、すこしでも痩せてきた様子があれば、できるだけ早めに病院に連れて行ってあげてください。
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