2011年2月28日月曜日

高脂血症の実態と診断および治療法の実際

昨日、朝10時より行われた、日本獣医生命科学大学 獣医内科学 講師 水谷 尚先生による「高脂血症」についてのセミナーに参加してまいりました。
いままで犬においては、高脂血症によって動脈硬化は起こらないというのが通説になっておりましたが、人に較べれて少ないとはいえ、ある条件さえ整えば発生することが判ってきました。また最近、当院でも治療する機会の増えた甲状腺機能低下症の症例では、アテノローム性動脈硬化が起こるというデータもあるそうです。
糖尿病、甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症といった基礎疾患をもたない原発性高脂血症は、ミニチュアシュナウザー、シーズー、シェルティーなどの犬種に発生し、多くが先天性疾患です。
基礎疾患のない高脂血症だということが判った場合は、リポ蛋白質プロファイルを行い、その高脂血症のタイプにより治療法を決定していきます。
現在使われている薬はスタチン系、フィブラート系に大きく分けられますが、そのタイプにより食事療法、EPA、ビタミンなども使い治療していきます。
今回のセミナーは獣医師として、「目からウロコ」といった衝撃を受けました。人の医療では耳にたこができるほど言われているメタボリックシンドロームが、これから先獣医領域でも当り前のように言われる時代になるのかもしれません。