2014年6月30日月曜日

減感作療法の仕組みと飼い主への説明方法

 昨日11時半より行われた「アレルミューンHDM・ネクスガード」発売記念講演に参加してまいりました。
 今回初めて、日本で正式に発売される、アトピー性皮膚炎治療用の減感作療法キットについて、動物アレルギー検査の獣医師 増田健一先生に詳しく説明いただきました。
 アトピー性皮膚炎や食物アレルギーは、若齢から痒がる犬によく見られます。見た目や経過である程度判断はつきますが、しっかりとした治療を行い “治す” ことも視野にいれるとすると、アレルゲンを特定する検査は必須です。
 今回発売される減感作療法キットは、従来の第1世代の副作用の危険があるものから、一気に第4世代にまで飛び越えた革新的なキットだそうです。
 今後、今までしたくてもできなかった新たな治療に踏み出せますね。

2014年6月27日金曜日

VRCグランドカンファレンス 眼科検査

 昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われた眼科学シリーズ「眼科検査〜もう一度初心に戻ろう〜」に参加してまいりました。
 今回は個別の疾患についてではなく、基本的な、しかし一次診療で必ず行う診断方法についてお話いただきました。瞳孔対光反射、シルマー、フルオレッセン、眼圧など一通りの検査は行わせていただいておりますが、すべてにおいて満足できる結果を出せているとは思いません。
 今後もさらに、診断方法や治療法がアップデートされていくでしょうが、基本を忘れずにやっていきたいと思います。

2014年6月24日火曜日

ウサギの脛骨斜骨折

 昨日、ウサギを飼われている方から、足を骨折しているようだとの電話がありました。残念ながら、今の病院に移転してからウサギの整形はしておりません。現在では、エキゾチック動物を専門で診られる先生がおられるので、そちらにお願いしております。しかし移転前の病院時代は、ウサギ、フェレット、ハムスターの手術を行っておりました。
写真は16年ほど前、代診を終え帰ってきた早々の頃の写真です。脛骨を斜骨折しており、部分的に粉砕骨折が見られた症例です。髄内ピンに創外固定をかけ治療しました。1ヶ月後には無事に治り、固定していたピンもすべて除去できました。
 ウサギは非常に骨がもろい動物です。場合によっては激しくもがいて自ら足を折ってしまう時もあります。細心の注意が必要ですね。

2014年6月16日月曜日

腹腔内陰睾

 腹腔内陰睾は、潜在睾丸と呼ばれる正常な位置に精巣が下降しない遺伝性異常の1つです。精巣が正常な位置になく、常時体温にさらされる為、正常犬の13.6倍の高い確立で腫瘍化すると言われております。
 
 写真は一昨日行った手術時の様子です。左側の睾丸が腹腔内にあり、右側は正常位置にありました。腹腔内にあった精巣と正常位置にあった精巣は、両方とも病理検査に送り腫瘍化していないか確認します。腹腔内に精巣が存在する可能性があれば、できるだけ手術をお勧め致します。
 P.S. 6/23 病理検査の結果、腹腔内にあった精巣は、精上皮腫とセルトリ細胞腫の混合腫瘤でした。幸い転移している所見はなかったのでひと安心です。

2014年6月13日金曜日

外耳炎と耳道切除 HJSセミナー

 昨日夜9時より、HJS主催で行われた外科学セミナーに参加してまいりました。今回のテーマは「外耳炎と耳道切除」です。
 外耳炎は犬では非常にポピュラーな病気ですが、原因や程度も様々で、時にはいつまでたっても治らない難治性のものもあります。進行し耳道が閉塞してしまうまでになってしまえば、手術で耳の穴が見えるまで切開したり、場合によっては耳道そのものを切除してしまう必要があります。特に短頭種では、顔面神経が耳道の近くを走行しているため術後、麻痺が出てしまう可能性があります。
 外耳炎はとにかく進行させないことが重要で、初期の段階でできるだけ止めておく努力が必要です。

2014年6月3日火曜日

実践獣医眼科セミナー ぶどう膜炎

 昨日夜9時半より、北摂夜間救急動物病院にて行われた、米国獣医眼科専門医 辻田裕規先生による眼科セミナーに、ツルノ獣医科病院の副院長 鶴野佳洋先生の御厚意で参加してまいりました。
 今回のテーマは、ブドウ膜炎です。具体的な症例の診断から治療までをじっくりお話いただきました。
 今回も多くの獣医さんたちが、深夜まで熱心に勉強しておりました。