2014年5月23日金曜日

VRCグランドカンファレンス 骨腫瘍

 昨日夜9時より、ネオベッツ主催で行われたVRCグランドカンファレンス「腫瘍学シリーズ〜骨腫瘍」に参加してまいりました。今回も腫瘍学専門医の田戸 雅樹先生の講演です。
 骨腫瘍の80%は四肢に発生する骨肉腫ですが、まれに頭蓋骨に発生した多小葉性骨軟骨肉腫(MLO)や下顎骨の骨肉腫など、過去当院でも遭遇したことがあります。このMLOの症例は約15年も前でしたので、現在のような頭蓋骨用のチタンプレートなどがなかったため、側頭筋のみでカバーしましたが再発が繰り返されました。下顎骨の症例は2年前に手術を行い、カルボプラチンにて術後治療したのですが、幸い肺にあった陰影も消え、現在も元気に通常通りの生活を保っています。
 術後の抗ガン治療については、過去様々な研究がありますが、現在最も優れた方法は、カルボプラチン単剤治療だそうです。確かに過去カルボプラチンを投与した症例で、重篤な副作用を経験したこともなく、また投与した症例も何事もなかったように元気に帰り、効果も実感できた事が多かったと思います。さらにこれからは分子標的薬を治療に使ったデータもそろってくるので、今後また生存期間が延びてくるかもしれません。