2013年6月28日金曜日

VRCグランドカンファレンス 「腫瘍学シリーズ」

 昨日夜9時よりネオベッツ主催で行われた、カンファレンス「腫瘍学シリーズ」に参加してまいりました。今回は消化管腫瘍と題し、ネオベッツVRセンター腫瘍専門医 田戸先生が経験された、口(舌)〜肛門までに発生する様々な腫瘍を、2時間みっちりお話いただきました。
 嘔吐、吐出、体重減少や下痢、下血など症状から病変の部位を判断し、X-Ray、エコー、CT、MRI、内視鏡など画像診断に進みます。舌の扁平上皮癌、胃の腺癌、リンパ腫、空回腸の腸腺癌、消化管間細胞腫瘍、直腸の直腸腺癌など様々な症例を示し説明されました。その中でも、田戸先生自身が痛い目に会った症例についてお話頂いた事は、非常に勉強になり、今後の診療の中でも役に立つことと思います。

2013年6月24日月曜日

WJVF 第4回大会

 6月22日、23日の2日間、ホテルニューオータニ大阪で開催されたJAHA (日本動物病院福祉協会)とJBVP (日本臨床獣医学フォーラム)の合同学会WJVF (West Japan Veterinary Forum)に参加してまいりました。
 22日は看護師の福原のみ、23日は私と福原の二人で出席しましたが、会場は多くの先生や看護師、学生であふれていました。この学会は複数の会場で同時に様々なセミナーが開催され、朝の9時から夕方6時までみっちりと勉強ができるようになっています。
 セミナーだけでなく協賛企業の展示会もあり、普段はゆっくりお話の出来ない事や、まだ発表されていない新製品の情報が聞けたりと、休憩時間も休む暇がないほど充実した学会でした。

2013年6月14日金曜日

歯科学セミナー

 昨日夜9時より行われた、歯科学セミナー「口腔外科の基礎と口腔内腫瘍の概要」に参加してまいりました。講師は歯科を専門で診られている戸田 功先生です。
 今回のテーマのとおり、一般的によく行われる歯科治療より一歩踏み込んだ外科を主体とした内容でした。特に下顎骨の骨折は、たまに我々も遭遇するものではありますが、整形外科という立場からのアプローチと歯科学からのアプローチでこれだけ差があることに少し感動を覚えるほどでした。
 口の中はなかなか普段から見づらい場所であるため見過ごしがちになってしまいます。またしっかり診るためには、麻酔処置が必要となるため踏み出しにくい治療になってしまいますが、大事になる前にしっかりと対処する必要があります。

2013年6月1日土曜日

潜在精巣

 潜在精巣(睾丸)とは、本来の位置である陰嚢に精巣が下りていないもので、わんちゃんでは約10%ほどの確立で見られます。ねこちゃんでは比較的珍しく、品種的ではペルシャに多いと言われております。
 潜在精巣は、遺伝性であるため繁殖には不適合です。またその子自身も精巣が腫瘍化しやすいため早期に摘出することが勧められます。
 しかしここで厄介な事が、あるはずの精巣がなかったり、まだ分化途中で精巣が1つの形に形成されておらず取残してしまったり、想定外の場所にあったりする事があります。
 これらのリスクを回避するのに、最も有効なものがCT検査です。万が一を想定する事が、後悔をなくす最良の手段といえるでしょう。
 先日来られたねこちゃんですが、左側の潜在精巣でした。オーナー様も知らなかったとのことです。
 たまたま同時期に来られたねこちゃんで、同じ位置で潜在精巣があった事がありましたので注意深く探っていくと鼠径部にありました。


正常な精巣と比べて小さい方が潜在精巣です。