2011年12月20日火曜日

日常の診療ですぐに役に立つ慢性腎不全の診断・治療について

12/18(日)午後より堺市産業振興センター セミナー室にて行われた堺市獣医師会主催の学術セミナーに参加してまいりました。
今回の講師は以前、モノリス主催で行われた腎臓セミナーで講師をされた クワハラ動物病院院長 桑原 康人先生です。
講演の内容は、前回内容のアップデートにプラスして、猫で日常的に遭遇する厄介な病気である‘下部尿路疾患’について先生自身の飼い猫を例に挙げお話いただきました。
季節がめぐり木枯らしが吹くようになると、おしっこに関連した病気が発生するようになってきます。おうちのわんちゃん、ねこちゃんの様子を見て、おしっこの回数が多い、色がいつもと違う、トイレに入っている時間が長いなどの変化があれば病院に御相談ください。

2011年12月16日金曜日

貧血に対するアプローチ

昨日夜9時半より、北摂夜間救急動物病院にて行われたアイデックスラボラトリーズ 平田 雅彦先生による症例検討形式のセミナーに、ツルノ獣医科病院院長 鶴野 佳洋の御厚意により参加してまいりました。
今回は貧血の症例を、身体検査所見から一つずつ読み解きながら診断を進めて行きどれだけ理論的にその病態を解明していくかを講演いただきました。血液・細胞学の権威である平田先生ならではの繊細な視点に毎回様々な事に気付かせていただきます。

2011年12月13日火曜日

後肢の整形外科疾患に対する診断、治療

12月11日、大阪府獣医師会主催で行われた整形学セミナーに参加してまいりました。講師は、アメリカカルフォルニア大学外科学助教授 林 慶先生が来日され講演されました。
座長は整形外科でも日本を代表する藤井寺動物病院・動物人工関節センター院長の是枝 哲彰先生という贅沢な講師陣でした。朝10時から夕方5時までの長丁場ではありましたが、まったく時間が経つのも忘れてしまうほどの楽しい時間でした。
内容としてはまず基礎的な破行診断をお話いただきましたが、アメリカの獣医学教育と日本のそれとの大きな隔たりを未だに感じさせられるものでした。アメリカでは大学在学中に徹底した臨床実習を行い、卒業した時点で充分即戦力に足る人材に仕上げていきますが、かたや日本の獣医学教育は基礎獣医学が主体で卒業後に自らの努力で臨床を学んでいくという状況にあります。これは国策の違いなので仕方がない事ではありますが、臨床の現場にいる人間としては歯痒い現状です。
午後からは股関節形成不全、前十字靱帯断裂に対する外科的整復術を最新の情報を交えながら非常に分かり易くお話いただきました。
アメリカの獣医学は確かに日本より進んでいます。しかしそれは最先端の医療器具を駆使しているからではありません。違うのは、人の能力を徹底して引伸ばし絶えず努力をさせる教育システムがあるからなのです。

2011年12月10日土曜日

胸部の画像診断

一昨日、夜9時より行われたJBVP主催大阪レクチャーシリーズ「画像診断」に参加してまいりました。
今回は、スカイベッツ代表 小野 晋先生によるⅩ線、エコー、CTよる胸部の画像診断の講義でした。
スカイベッツは画像診断を専門としたオンラインサービスを行っている会社です。診断を行っている小野先生は複数の高度医療センターで画像診断を行ってこられ、現在も日本小動物医療センターにて実際診療に携わっておられます。
講義の内容は、前半の部は胸部の特に診断に悩ませられる肺野の混合パターンについて重点的にお話いただきました。後半では肺腫瘍について様々な実際の症例を挙げながら講義いただきました。
人医の世界では一般的になってきている遠隔診断ですが、インターネットの普及により我々の日常の診療にも徐々に浸透していくことでしょう。