2010年10月29日金曜日

動物の不安と問題行動について

 10月17日(日) インターベット主催「インターベット動物行動学セミナー 動物の不安と問題行動について」にスタッフ全員で参加してまいりました。
問題行動の中でも不安が原因となるものをテーマに、北里大学 獣医学部 動物資源化学科 動物行動学研究室入交眞巳先生にご講演いただきました。

飼い主様がお困りになっている動物の行動の中には、不安が原因となって起こるものがあります。
例えば飼い主様と離れることが出来ない(分離不安症)、ある動作をずっと繰り返し行う(常同行動)、雷や花火に対する恐怖症などが挙げられます。

不安障害の治療には、動物の周りにある環境を整えることや行動療法、また薬物療法などを症状に合わせ単独、または組み合わせて行います。

不安の原因が生活する中で学習したものではなく、神経伝達物質などの異常がある場合では、環境を整えたり行動療法を行うだけでは治療出来ないことがあります。
そのような場合には、より積極的に抗うつ剤、抗不安剤などを使用した薬物療法が薦められます。

VRCグランドカンファレンス~腫瘍学セミナー1

 昨日夜9時よりネオベッツ主催で行われた「腫瘍の生検」についてのカンファレンスに参加してまいりました。
臨床の現場で、腫瘍が疑われる症例にもっともよく行うのがこの生検(特に針生検)なのですが、これをいかに的確な治療に結び付けていくかが難しいところです。
今回は日頃二次診療をされている専門医の先生方の意見を交換しあう勉強会だったのですが、やはりその専門性に基づいた鋭い意見や、私達一次診療医が見落としがちな盲点を指摘されていました。
細胞診は現場ですぐに情報が得られる重要な検査なのですが、検査の為の検査になってしまわないように、それを行う事によって得られる結果の予測を立て、慎重にかつ手間を惜しまず行えたらと思います。

2010年10月24日日曜日

第5回 骨肉腫の治療方針

昨日夜9時半より北摂夜間救急動物病院にて行われた酪農学園大学付属動物病院伴侶動物医療部門腫瘍科・教授・廉澤 剛先生による腫瘍学セミナーに参加してまいりました。
今回は骨肉腫の治療についてのお話で、主に前肢、後肢、さらに骨盤を含めた断脚術、肋骨の骨肉腫に対する胸壁切除術、またできるだけ機能を温存する為の肩甲骨のみの切除やコロラド州立大学で行われている同種骨移植と同時に局所化学療法を行う患肢温存療法といった新しい治療法も紹介いただきました。その他にも痛みのコントロールとして肺転移巣による肺性肥大性骨症を抑える為の肺葉切除や、放射線療法、骨粗鬆症や高Ca血症の治療薬ビスホスホネートの使用についてなど盛りだくさんのセミナーでした。
骨肉腫は日常それほど目にするものではありませんが、多くの場合病期が進んでから見つかる事が多いです。常日頃早期発見に努力する必要性を感じる病気です。