2010年3月29日月曜日

フィラリア検査と血液検査セットのご案内

 桜も開きはじめ、ようやく日中は春らしい陽気に恵まれてきましたね。

フィラリア症予防薬のご案内にもお書きしましたように、ここ数年冬場でも天候の異常な状態が続いており、雪がちらついたかと思うと、2月にもかかわらず急に初夏のように暑くなり蚊に刺されたりするという事をしばしば経験いたしました。病院に来られる方のお話の中にも、昔に比べ年中蚊を見かけるということをよくお聞きします。
冬場に蚊に刺され、フィラリアに感染する確立は夏場より低いと思われますが、その刺した蚊がフィラリアの幼虫をもっていれば感染してしまうこともありえます。このことから当院ではフィラリア駆虫薬の年中投与をお勧めしております。
なお今年よりフィラリア駆虫薬を鶏肉ベースの物に変更いたしました。よりお腹に刺激がなく、かつ嗜好性もよいようです。毎月投薬をすることで確実にフィラリア症を予防してください。

現在、動物病院でフィラリア検査として行っている方法は、フィラリアの親虫を免疫学的に検出する抗原検査と、フィラリアの親虫が産んだ幼虫を目で確認する検査の主に二通りです。当院では最も検出精度の高いメーカーの検査キットを使いフィラリアの親虫の有無を調べております。
またフィラリア検査と同時に23項目の血液検査を加える事で、そのわんちゃんの現在の状態を診断する「血液健康診断セット」も行っております。血液検査は人間の病院でもよく行われますが、動物病院では最も雄弁に病気を語ってくれる検査でもあります。自身の事をうまく説明する事ができないわんちゃんの代わりに様々な情報を私達に語ってくれます。しかし検査をしたとしも、その時期や項目によって病気を発見できない時があります。ましてや少ない項目での検査では誤った診断につながりかねません。その情報をどれだけきっちり収集し、かつ分析できるかは私達獣医師にかかってきますので、日夜新しい知識をアップデートするよう努力していきます。
血液検査は決して特別なものではありません、勘や運に頼った治療をするのでなければ最低限調べなければいけない基本的な検査といえるでしょう。

2010年3月24日水曜日

パピークラス

3月15日(月) 院内にてパピークラスを開催いたしました。(パピークラスとは)


この日は前回の復習に加え、
・お散歩での歩き方
・日常の生活で起こり得る様々な刺激に慣れる
・服を着る、バンダナをつける
など、新しいことにもたくさんチャレンジしました♪


お散歩の際、ランちゃんが飼い主様を引っ張って歩くそうです。
そのため、リードをつけて歩くときにランちゃんが引っ張ったら止まる、引っ張るのをやめたら歩くという練習をしていただきました。
この歩き方では引っ張られる度に立ち止まるので、歩くのに多少時間はかかりますが、こうすることで、ランちゃんに引っ張っても先には進めない、引っ張らずに飼い主様と合わせて歩けば先に進めるということを教えます。


刺激になれる練習は、社会化期という重要な時期に、他の犬や色々な人と適切に触れ合うことで誰とでも付き合える犬にし、同時に日常にも起こり得る様々な刺激に慣れさせ、これらのものに過剰反応しないようにしておくことを目的としています。
この練習ではその物事に良い印象をつけるため、参加しているわんちゃんの反応を見ながら怖い経験をさせないよう慎重に行います。
今回は、傘・ドライヤー・目覚まし時計・チャイムを使用し、動きを見せたり音を聞かせたりしました。
ランちゃんは目覚まし時計の音が少し苦手だったようですが、練習の中で少しずつ慣れることが出来たようでした。


こういった練習は日々の積み重ねがとても大切です。
これからも一緒に頑張っていきましょう!

                               

パピークラスは、いつでもご参加いただけます♪
ご興味のある方・参加をご希望の方は、当院までお問い合わせ下さい!

なかで動物病院(TEL:072-271-7225)

2010年3月19日金曜日

肝臓を読む! その2

 昨日夜9時半より北摂夜間救急動物病院にて行われた平田雅彦先生による「肝疾患における血液化学検査と細胞診」の後編にツルノ獣医科病院 副院長 鶴野佳洋先生とご一緒に参加してまいりました。
今回は犬と猫における炎症性肝疾患の概念、血液検査の解釈、診断の進め方を中心に細胞診、生検の重要性を再認識させていただきました。特にステロイドを使用した治療の必要性の有無を確認するためにこれらの検査を外せないところなどは、実際の現場では悩ましい問題となります。
次回は甲状腺疾患についての勉強会の予定です。最近は検査センターですぐにFT4、TSHなどが確認できるためよく検査に出させていただいてますが、高齢の犬猫では甲状腺疾患がかなりの数潜在しています。
より精度の高い診断を行うためこれからも日々努力いたします。

2010年3月13日土曜日

猫の心エコー1


 昨日夜9時半から北摂夜間救急動物病院で行われたDr萩尾の実践心エコー6~猫の心エコー1に参加してまいりました。
今回から3回シリーズで猫の心臓エコーを集中的に講義されます。第一回目は主に肥大型心筋症のバリエーション、拘束型心筋症について動画を見ながら実践的なお話を聞くことができました。

2010年3月9日火曜日

パピークラス

3月5日(金) 院内にてパピークラスを開催いたしました。(パピークラスとは)


参加していただいた子犬ちゃんは、ゴールデンレトリバーの男の子・ランちゃんです♪
今回が初めてのご参加でしたので、インストラクターの安国先生とカウンセリングをした後、実習に入りました。



まずは、『耳・口周りを触る練習』です。
安国先生の見本のあと、飼い主様にも実践していただきました!


ランちゃんが嫌がらないように大好きなごはんで気を引きながら楽しく触っていきます♪

 『顔・足周りを拭く練習』、お腹を見せ、触れるようになるために『ゴロン(横になる)の練習』行いました! 
ランちゃんは「足先を拭くのを嫌がる」とのことでしたが、少しずつうまくできるようになりました。


これらは、耳・口周り・足先・お腹など、犬が触られて嫌がることが多い部分を自由に触れるようになるための練習の一つです。
耳掃除をする、歯みがきをする、顔や足先などの汚れをふき取る、お腹などの皮膚の状態を見る・・・こういった日常ケアをするために必要となります。
わんちゃんの健康を守るためにも、子犬のころから少しずつ慣らしていくことが大切です。

                               

他の犬との社会化のため、安国先生の愛犬・トコちゃん、当院看護士の愛犬・小太郎とソルトの3頭が一緒に参加することもございます。


パピークラスは、いつでもご参加いただけます♪
ご興味のある方・参加をご希望の方は、当院までお問い合わせください!
(なかで動物病院:TEL 072-271-7225)

2010年3月1日月曜日

皮膚病のトピックス~小動物臨床技術講習会

昨日午前10時~午後4時まで大阪ぺピイ動物看護専門学校セミナールームで行われた大阪府・大阪市獣医師会共催の小動物診療技術講習会に参加してまいりました。
今回は東京農工大学教授 岩崎利郎先生による「皮膚病のトピックス」ということで、今我々の現場でも比較的よく遭遇する無菌性結節性脂肪織炎、アレルギー反応によると思われる多形紅斑、T細胞リンパ腫、膿皮症、炎症のない様々な脱毛症など多岐にわたっての講義でした。
無菌性結節性脂肪織炎ではミニチュアダックスフントとその他の犬種とでの違いやモニタリングの方法、近年増加してきた多形紅斑では病理組織診断の採材のコツや人IgGを使用した治療、膿皮症ではこの2年ほどで急に増えてきた多剤耐性のS.pseudintermediusの問題と対処法、以前偽クッシング症候群などと呼ばれていた北方犬種(ポメラニアン、ハスキーなど)に見られる原因不明のAlopecia X(脱毛症)の診断やメラトニンやトリロスタンを使用した治療法などについて興味深い最新情報を聞くことができました。
これらの知識が皆様のお役に立てるよう努力致してまいります。